サッカー元浦和レッズの鈴木啓太氏が、早すぎる引退について、前園真聖氏のYouTubeチャンネルで当時の心境を明らかにした。
鈴木氏は浦和で15年にわたってプレーしたバンディエラ。2015年に不整脈やケガが原因で浦和との契約を満了したが、カテゴリーを落として現役を続けることは可能だった。
「2014年11月に不整脈が試合中に出て、1年間はプレーしたんですが、戻らなかった。自分が思い描いているようにできなかった。苦しくなって走れない。カテゴリーを落としてやるか、100%でできないけどやるか、どうしようという時に、あるチームからオファーをいただいた。もう浦和のためにプレーできないことはわかっていたので、SNSで発表した」
するとサポーターから、多くのメッセージが寄せられる。
「『どこに行っても応援している』とか『どこのユニフォーム着ててもプレーを見たい』と言われた時に、浦和のサポーターは浦和のことが大好きで、その愛をもらってきて、この人たちの前でサッカーをやめたいと思ったんですね。続けるのも喜んでもらえるかもしれないけど、僕の気持ちが他のユニフォームを着れないなと、浦和のサポーターの前で引退したいというのがあったので、その時に(引退することを)決めた」
なんとサポーターの愛の大きさゆえに、移籍を選ばず引退を決意したというのである。
同じように引退を決意した浦和の選手がもうひとりいる。前身の三菱自動車工業サッカー部から浦和一筋の、福田正博氏だ。福田氏の引退をサッカーライターが振り返る。
「『ミスターレッズ』と呼ばれて1989年から2002年までプレーし、浦和が『Jリーグのお荷物』と呼ばれた時期も、J2に落ちてもチームを離れることはありませんでした。2002年に浦和と契約満了になり、他チームでプレーすることを考えましたが、浦和以外のユニフォームを着て浦和と戦う自分が想像できないとして、引退しています。福田氏にそう思わせたのは、やはり浦和のサポーターでした」
世界一のサポーターと評価されていることを証明する、バンディエラ2人の引退であった。
(鈴木誠)