パ・リーグ首位を突き進む北海道日本ハムファイターズの快進撃とは裏腹に、本拠地「エスコンフィールドHOKKAIDO」周辺では「駐車トラブル」が悪化の一途をたどっている。
試合日や大型イベント開催時には、球場北側の市道に100台近い車が縦列駐車し、片側一車線しか確保できない状況に。歩行者や緊急車両の通行を妨げるケースが懸念されるため、北海道警察と北広島市は当該市道を試合・イベント時限定の駐車禁止ゾーンとする方向で調整を進めている。
今年3月15日にはJR北広島駅前の商業施設「tonarie北広島」がオープンし、現地を訪れる人は増加するばかり。試合時には周辺駐車場の予約枠が瞬時に埋まるため、当日はスペースを求めて周囲を巡回する車列が絶えない。
エスコンフィールドと周辺の公共・民間駐車場は約8300台分を備えるが、コインパーキング(1回2500円)、公式駐車場(1回3000円~3500円)には割高感が…。
バス駐車場は遠方かつ砂利敷きのまま遠方に移設され、車椅子やベビーカー、高齢者の移動をいっそう難しくしている。バス利用客の路上駐車は駅西口や住宅街のみならず、輪厚川河川敷にも及び、剥がれた芝生と深いわだちを残した。国土交通省北海道開発局は、損傷箇所の芝生張り替え工事を計画中だ。
公式駐車券がメルカリやヤフオクなどに出品され、5000円から8000円で取引される事例も問題視されている。公式予約システムの抜け穴を突いた転売行為が、駐車場不足の根本的な解決を遠ざけかねない。
こうした現状を打破するには、行政による臨時駐車禁止措置だけでなく、シャトルバスの増便や公共交通機関利用の促進が欠かせない。民間駐車場の位置や予約方法を周知させ、駐車場予約アプリ「akippa」などでの事前確認と早めの予約を呼びかけるべきだろう。球団側にも、公式駐車場料金の見直しを検討してほしいところだ。
サッカーJ1の清水エスパルスは今年5月、ホームグラウンド「IAIスタジアム日本平」周辺で迷惑駐車をしたサポーターに対して「試合入場禁止処分」を科し、一定の抑止効果を得ている。日本ハムも違法駐車や迷惑行為に対しては「ノー・トレランス(軽微な違反も許容しない)」を明確に打ち出し、ペナルティー導入を含む厳格な対策を早急に示すべきだ。
ルールを順守する人々の協力と地域の信頼関係こそが、日本ハムのさらなる飛躍を支える、揺るぎない基盤となろう。
(ケン高田)