NHKの情報番組「あさイチ」で、鈴木奈穂子アナがオンエア開始直後から涙を見せた。その理由は、直前まで放送されていた連続テレビ小説「あんぱん」にあるようで…。
6月25日の「あんぱん」第63回は、ヒロインの若松のぶ(今田美桜)と柳井嵩(北村匠海)が4年ぶりに再会。教師を辞めたことを嵩に伝えたのぶは、小学校で子供たちに軍国教育をしてしまったことを後悔し、
「子供らにもう向き合えんなってしもうた」
生徒たちを戦争に仕向けてしまったことを懺悔すると、
「うち、生きちょってえいがやろうか」
涙を流すのぶに、嵩は滔々と説くのだった。
「死んでいい命なんてひとつもない。正しい戦争なんかあるわけがないんだ」
敵も味方お仲間も、そして弟の千尋(中沢元紀)も死んでしまったこと、そして千尋が「戦争さえなかったら、わしは愛する人のために生きたい」と語っていたとのぶに語ると、
「簡単にひっくり返ってしまう正義なんて信じちゃいけない。逆転しない正義があるとしたら、全ての人を喜ばせる正義。何十年かかっても、みんなを喜ばせたい」
自身がこれから生きていく道を見据えるのだった。生きることについて諭す嵩の姿に、のぶはようやく笑顔を見せた。
「最後のシーンでは、嵩が夕暮れ時にひとりでシーソーに座るシーンが。かつて千尋が座っていた、誰もいない反対側を見つめる嵩の寂しそうな姿に胸を打たれました。鈴木アナが思わず涙してしまったのも仕方がないのでは」(ドラマウォッチャー)
さて、鈴木アナだ。登場人物の死が続く「あんぱん」に、
「今週、我慢してたんで…」
泣くのを堪えていたという彼女が涙を拭うと、博多大吉は反論を展開する。
「だったら我慢するとか言わないで」
どうやら本番直前、鈴木アナに「大丈夫ですか」と聞いたところ、鈴木アナは「大丈夫。私、泣きませんから」と返答していたというのだ。
「(オンエアが)始まった途端に…やり方が汚い!」
大吉のこの指摘に、スタジオは爆笑である。苦笑いする鈴木アナの「言い訳」はどうなのかといえば、
「計算とかじゃないです。計算じゃ無理です」
放送開始と同時に泣こうと考えていたわけではない、と弁解したのだが…。前出のドラマウォッチャーが言う。
「悲しいシーンが描かれるのも、この日でひと区切りのようですね。これからはのぶも嵩も、それぞれ新しい人生を歩み始めることになるようです」
2人の人生はどのような形で再び交錯するのだろう。
(石見剣)