阪神・佐藤輝明の守備位置を三塁に戻すとしたら、次のDeNA戦がきっかけになるかもしれない。
プロ野球は6月27日から、通常のペナントレースが再開した。交流戦でセ・リーグ球団が惨敗を喫した話は今さらだが、交流戦の期間中、パ・リーグ球団がセの好投手を攻略した方法が「検討」されているという。
「セの防御率1位だったDeNAの左腕ケイが、6月13日のソフトバンク戦で6回4失点と打ち込まれました。ソフトバンクは左打者を8人も並べる奇策で、ケイを攻略しています」(スポーツ紙デスク)
一般的には「左対左」となった場合、投手有利とされている。しかしソフトバンクは、ケイの「対左右別被打率」のデータに着目。右打者の被打率が1割9分7厘なのに対し、左打者は2割7分5厘と、ケイを打ち込んでいた。ソフトバンクの小久保裕紀監督は「それだったら、思い切って」と「左偏重打線」で臨んだのだ。
今季、阪神はケイと2回、対戦している。負けはついていないが、ケイの阪神戦防御率は0.45であり、阪神は苦手投手の意識を持っている。ペナントレース再開後のDeNAのオープニング投手はそのケイ(巨人戦)であり、順調にいけば中6日で7月4日の阪神戦に先発してくる。
ケイは6月20日のロッテ戦に先発登板した際、4失点で「負け」がついている。しかしこの試合で打点を挙げたのは、4番・池田来翔と7番・西川史礁の右打者だ。「左打者が苦手」とは言い切れなくなってしまったが、6月27日の巨人戦に派遣された阪神スコアラーの報告次第では、阪神も小久保監督の作戦を模倣してくる可能性は高い。
「スターティングメンバーに左打者を増やすとなれば、ライトを守らせている佐藤を三塁に戻して、6月17日に再昇格した前川右京を外野に入れるか、糸原健斗をスタメンで三塁を守らせるかのいずれかでしょう」(在阪記者)
目下、阪神のスタメン外野手は森下翔太、近本光司、佐藤。OBたちは「前川を使うべき」と主張するが、得点力を考えると森下と近本は外せない。前川は再昇格後、代打での出場が続いているが、まだ快音は聞かれない。
藤川球児監督は佐藤を外野で使い続けるのか。V奪回を目指す上で、苦手投手は早めに攻略しておいた方がいい。
(飯山満/スポーツライター)