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記事全文を読む→プロ野球「オンオフ秘録遺産」90年〈弱小広島のエース・外木場義郎は沢村栄治を超えた〉
広島市民球場のスタンドが雨で濡れていた。上空には再び、泣き出しそうな黒い雲が広がっていた。
だが、9回表のマウンドに立った広島の右腕・外木場義郎、23歳が憂鬱な曇り空を吹き飛ばそうとしていた。完全試合まであと3人と迫っていたのだ。
1968年9月14日、広島対大洋(現DeNA)18回戦。
洋 0 0 0 0 0 0 0 0 0=0
広 0 0 0 1 1 0 0 0 ×=2
外木場はこの回までに13三振を奪っていた。大洋の監督・別当薫は代打攻勢に出たが─。
左の中塚政幸、江尻亮を三振、さらには27人目の打者・山田忠男を2‒2からのど真ん中速球で空振り三振に仕留めた。
プロ野球史上10人目の完全試合を達成した。
最後の3者連続三振で奪三振は「16」、これは巨人・金田正一、阪神・江夏豊の持つセ・リーグタイ記録となった。
第一声は「うれしい。本当にうれしい」だった。セ・タイの奪三振記録には「全然気が付かなかった」と言う。完全試合に向けて全神経を集中させていたのだ。
投球数は114、内野ゴロ7、外野飛3、外邪飛1の内容だった。
史上初の完全試合達成投手は巨人の藤本英雄。50年6月28日だった。
68 年に10人目となった外木場以降に完全試合を達成したのは6人。現時点では16人である。その16人目が、現ドジャースの佐々木朗希である。
ところで外木場の完全試合には「史上2人目のダブルタイトル」の冠がついた。
400勝投手の金田正一がプロ2年目の51年にノーヒットノーラン、57年に完全試合を成し遂げていた。
外木場はルーキー時代の65年10月2日、甲子園球場での阪神対広島20回戦でノーヒットノーランを達成している。20歳だった。
金田と同じ記録に並んだのだ。
広 0 0 0 1 0 0 0 0 1=2
阪 0 0 0 0 0 0 0 0 0=0
この時、プロ11試合目、2度目の先発でプロ初勝利を挙げた。
これは中日のルーキー・近藤真一が87年8月9日の対巨人戦で、先発投手として史上初の初登板ノーヒットノーランを達成するまで最短記録だった。
外木場は鹿児島県・出水高校時代はエースだった。
63年夏の鹿児島県大会では決勝戦に進出したが、甲子園には出場できなかった。
広島は高く評価して誘ったが、「ノンプロで投げて自信をつけたい」と一度は断り、電電九州を経て64年9月に入団、65年が実質プロ1年目だった。
阪神戦で投げ合った相手はエースの村山実だった。プロ入り時に「思い切って投げる村山さんのようになりたい」と目標に掲げていた、憧れの投手だ。
その村山に投げ勝った。速球を主体にしており、課題は制球力だった。だが、鎌田実に四球を1個出しただけで、猛虎打線は高めの速球に振り回された。
同年、広島は開幕から下位に低迷し、監督の白石勝巳が途中休養、長谷川良平が代理監督を務めた。
チームの活性化とともに、若手の積極的な起用が叫ばれた。長谷川は将来を見据えて外木場の起用に踏み切っていた。
「5回まで投げられたらと‥‥こればかり考えていました。ノーヒットとわかったのは7回からです。9回はとても硬くなった。打たれてもともとの気持ちでただ夢中で投げました」
記者団から「最初に大記録をやってしまうと意外に短命だが‥‥」と半ば冷やかしの質問が出た。これに対して一言。
「もしご希望ならもう一度やって見せましょうか」
このシーズンはもう1勝を挙げて、翌年以降の飛躍が期待された。
だが66年0勝1敗、67年は2勝3敗で終わった。制球難に苦しんだ。同年オフ、球団に呼び出された。
クビかと覚悟した。球団には翌68年から指揮を執る根本陸夫が待っていた。
「来季もやってもらう。ローテーションに入って投げてほしい」
速球に磨きをかけて、今で言うところのパワーカーブを身に着けた。制球力も走り込みで安定してきた。
68年は21勝を挙げた。50年の球団創設以来、19年目にして初のAクラス(3位)入りに貢献した。
「根本さんに出会ったことが転機となりました」
感謝を忘れなかった。
以来、球界を代表する本格派として活躍した。そして「3度目」を迎える。
72年4月29日、広島市民球場での広島対巨人2回戦、外木場は再びノーヒットノーランを達成する。
あの完全試合から4年─。
「野球を辞めるまでもう一度記録を作ってみたかった」
この言葉を現実にした。
巨 0 0 0 0 0 0 0 0 0=0
広 1 0 0 0 0 0 0 2 ×=3
初のノーヒットノーランと同じように四球は1個。7回2死無走者から王貞治に与えた。フルカウントからの、ストライクとも取れる際どいカーブだった。
次打者・長嶋茂雄を低めのカーブで右飛に打ち取って、最大のピンチを切り抜けた。
「こんな記録はやろうと思ってもできない。バックのお陰です」
ノーヒットノーラン3回は伝説の名投手・沢村栄治が記録しているが、完全試合1回を含む3回は、91年になる日本プロ野球の歴史の中で外木場ただ1人だ。
広島一筋、65年から79年までの15年間で131勝138敗。7つの負け越しは、弱小チームのエースだった男の向こう傷である。
(敬称略)
猪狩雷太(いかり・らいた)スポーツライター。スポーツ紙のプロ野球担当記者、デスクなどを通して約40年、取材と執筆に携わる。野球界の裏側を描いた著書あり
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