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記事全文を読む→NPB「飛ばないボール」問題 大谷翔平の豪快弾と比べて見える深刻な差
豪快にスタンドインするドジャース・大谷翔平のホームラン。打球が観客席へ吸い込まれていく映像は、いまやMLBの象徴的なシーンだ。しかし、日本のプロ野球に目を向けると、同じホームランでも、その迫力に大きな差があることに気づかされる。
今季セ・リーグでは阪神・佐藤輝明が39本で独走中。2位の森下翔太は23本と水をあけられ、他球団の最多本塁打は軒並み10本台。巨人はキャベッジの16本がチーム最多と物足りなさを感じるレベル。パ・リーグでも日本ハムのレイエスが32本で首位を走る一方、ソフトバンク・山川穂高が21本、楽天やロッテはチーム最多でも13本にとどまる。数字を見ればメジャーとの差は歴然だ。
「打者の技術が落ちたのではない。ボール自体の問題だ」そう言い切るのは、元ロッテ投手で現在は桜美林大学教授を務める小林至氏だ。自身のYouTube「小林至のマネーボール」で「ほとんどの要因はボールにある」と断言した。NPBの統一球はミズノ製で、日本車両検査協会が反発係数を検査して出荷される。品質管理は厳密だが、基準値そのものが低いため「飛ばないボール」になっているという。2015年に反発係数の基準は「0.4134を目標値」と改められたが、ホームラン数の伸び悩みは解消されていない。
一方で近年は、「飛距離を左右するのは反発係数だけではない」という視点が強まっている。きっかけはMLBの調査委員会が17年以降の本塁打増減を分析し、抗力係数(Cd=空気抵抗の大きさ)こそが決定的要因だと指摘したことだ。縫い目の高さやボール表面の仕上げがわずかに変わるだけでCdが変動し、打球が途中で失速する。つまり、打感や打球速度が同じでもスタンドまで届かなくなる可能性がある。
問題はこの抗力係数がNPBの公式規格には含まれていない点にある。反発係数や重量、大きさは厳格に検査されていても、Cdの数値基準は存在せず、実際にどれほどの空気抵抗がかかっているかは外部から見えないままなのだ。
ファンはいま、大谷が放つ豪快なホームランに心を奪われている。あの快音とともに白球がスタンドに消える瞬間を日本の球場でも味わいたい。そんな願いは日に日に強まっている。
(ケン高田)
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