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記事全文を読む→ホントーク〈青野照市×魚住りえ〉(3)「勝負めし」は食べません!
魚住 現役の頃は“中高年の星”と呼ばれていましたね。
青野 47歳でA級に復帰した時にそう言われました。40歳までは第一線で活躍できると思っていたんですけど、38歳の時にA級から落ちてしまった。トップでやるのは無理かなと思って、伊豆高原に引っ越すなどしました。
魚住 それだけショックが大きかったわけですね。
青野 当時は羽生世代の若い人にどんどん追い越されて「もう勝てない」と思ったんです。だけど、そんな気持ちじゃダメだと切り替えて、将棋のことが載っている新聞を全紙取って猛勉強しました。
魚住 9年経って再びA級に戻られたのは、将棋界ではマレな出来事なんでしょうか。
青野 そうですね。復帰した時は、体が丈夫で気持ちさえ落ち込まなければ、50歳過ぎぐらいまでは若い人たちに十分対抗できると実感しました。羽生九段にはあまり勝てなかったですが、他の羽生世代の棋士には結構、勝ちましたよ。たまに色紙を頼まれた時は「かけた時間は裏切らない」という言葉を書いています。
魚住 読者世代も励みになる、とてもいいお話です。ところで今「勝負めし」という、対局中の食べ物が話題になりますけど、青野さんの「勝負めし」は何でしたか?
青野 何も食べていませんでした。むしろ私はゲン担ぎとして、対局の前日は「うな重を食べない」と決めていました。
魚住 どうしてですか。
青野 三段の頃、いちばん大事な対局の前日に栄養をつけようと思って、うな重を食べたら、負けてしまったんです。そのことが忘れられず、引退するまで続けましたね。
魚住 現役を引退されて1年半ぐらい経ちましたが、今後、何か目標はありますか。
青野 本に限らず、原稿は書いていきたいですね。それから将棋の普及に努めたいと思っています。地方での普及、子供たちに対する普及、それからこれまでも取り組んできた海外への普及ですね。将棋を知らない人たちに教えていきたいと思っています。
魚住 ステキな目標です。世界中で将棋が盛んになるといいですね。
青野 はい。それを目指します。
ゲスト:青野照市(あおの・てるいち)1953年、静岡県焼津市生まれ。68年、廣津久雄九段の弟子となり4級で奨励会入会。74年、四段に昇段しプロ棋士に。82年、第41期順位戦でA級に昇級。89年、第37期王座戦でタイトル初挑戦。24年、現役引退。通算成績は800勝899敗。日本将棋連盟の理事を長年務め、将棋の海外普及にも尽力し、11年に「外務大臣表彰」を受けた。
聞き手:魚住りえ(うおずみ・りえ)大阪府生まれ、広島県育ち。慶應義塾大学文学部卒。1995年、日本テレビにアナウンサーとして入社。報道、バラエティー、情報番組などで幅広く活躍。04年に独立し、フリーアナウンサーとして芸能活動をスタート。30年にわたるアナウンスメント技術を生かした「魚住式スピーチメソッド」を確立し、現在はボイス・スピーチデザイナーとしても活躍中。
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