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記事全文を読む→前駐豪大使・山上信吾が日本外交の舞台裏を抉る!~敵対メッセージをバラ撒き続ける中国を捻じ伏せる「ケンカに強い外交官」育成法~
12月15日の本欄で論じた日中間の情報戦・認知戦について、さらに掘り下げて論じたい。
多くの心ある国民が感じていることは、中国が矢継ぎ早に仕掛けてきている情報戦・認知戦に対して日本の対応が完全に守勢に回っていること、そして日本の繰り出す反論が往々にして綺麗ごとに終始し、インパクトに欠けることではないだろうか。
外交官駆け出し時代に米国ワシントンの日本大使館で広報担当官を2年間にわたって務め、その後のキャリアを通じて米国、英国、豪州をはじめとする外国メディアとどっぷり向き合ってきた私から見ても、「そのとおり」と言わざるをえない。
では、どうするか。この古くて新しい問題に対応するための具体的処方箋を提示してみたい。
第一に「闘え」という指示を、政権トップが明確に出すことだ。
第二期安倍政権では歴史問題について「しっかり反論しろ」という指示を、安倍総理自らが出していた。
翻って今回。10年前の平和安保法制審議時から何度も説明してきた当然の法理を繰り返したにすぎない、高市早苗総理の答弁。にもかかわらず、発言すべきでなかった、などとしたり顔で述べる石破茂前総理や左翼オールドメディアの声がかまびすしい一方、「全軍戦闘を開始せよ!」との掛け声がかけられているようには到底、うかがえない。これでは霞が関の外務官僚、在外の大使連中は様子見に終始してしまうこと請け合いだ。
第二は、発するメッセージの内容にもっとパンチ力をもたせることだ。
薛剣(せつけん)駐大阪総領事暴言から高市答弁への、中国が企図した論点ずらしは見事に成功してしまった。今や薛剣の前代未聞の斬首暴言は不問に付され、遥か昔の出来事のようだ。日本政府が守勢に回り、薛剣の国外追放さえ逡巡してきたからだ。
かくなる今、何をメッセージとして出すか。
簡単だ。何故、高市答弁をせざるをえなかったのか、そして何故、平和安全法制で集団的自衛権の限定行使が必要になったかという戦略環境を、分かりやすく説明していくことである。
すなわち、近年の中国が他国に類を見ない大幅かつ急速な軍拡に没頭し、増長して自信過剰になったあげく、攻撃的な姿勢と言説を南シナ海や東シナ海などを舞台に展開してきた顛末だ。引き金を引いたのは高市答弁では毛頭なく、中国なのだと、世界に発信していかなくてはならない。
第三は、対外発信重視の人事をすることだ。
香港フェニックステレビのインタビューで、力なく「対話」を訴えた金杉憲治駐中国大使。国連の場での中国による日本批判に接し、戦後の日本のお行儀の良さを説明した山崎和之国連大使。はるばる北京まで出向いて、中国外務省局長の説教を頭を垂れて拝聴したような映像を取られてしまった、金井正彰アジア大洋州局長。
いずれも外務省にあっては同期のエース級的存在で、総理や外相の秘書官を務め、事務処理能力には定評がある。だが外交官、とりわけ対外発信に携わるとしては二線級としか言いようがない。であれば情報戦・認知戦、それこそ「喧嘩」に強い人材を育てていかなければいけない。
人事制度を見直し、局審議官に始まって局長、外務審議官、次官に至る4段階もの昇進をひたすら東京の外務本省にあって遂げるような人事は即刻、改めるべきだ。局長や次官を務める前に総領事、大使といった在外公館の公館長を経験させ、対外発信に注力させる必要がある。そしてそこで修練を積み、成果を上げた人物を本省幹部として抜擢していくのだ。
第四に、ここまで提言しても外務省が改まらない場合の最後の手段として、外務省以外の対外発信を司る組織を設けなければならないだろう。
折角、国民の税金で外国語の習得をさせてもらいながらも「相手国を刺激しない」という事なかれの微温的発信しかできないようでは、日本の国益を守れない。日本を貶める敵対的メッセージをバラ撒いて止まない国に対しては、こちらもインパクトある、心に刺さるメッセージを出して応戦しなければなるまい。
以上、外務省には正念場と心得て、働いて働いて働いてもらいたい。
●プロフィール
やまがみ・しんご 前駐オーストラリア特命全権大使。1961年、東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、84年に外務省入省。コロンビア大学大学院留学を経て、ワシントン、香港、ジュネーブで在勤。北米二課長、条約課長の後、2007年に茨城県警本部警務部長を経て、09年に在英国日本国大使館政務担当公使、日本国際問題研究所所長代行、17年に国際情報統括官、経済局長を歴任。20年に駐豪大使に就任し、23年末に退官。同志社大学特別客員教授等を務めつつ、外交評論家として活動中。著書に「中国『戦狼外交』と闘う」「日本外交の劣化:再生への道」(いずれも文藝春秋社)、「国家衰退を招いた日本外交の闇」(徳間書店)、「媚中 その驚愕の『真実』」(ワック)、「官民軍インテリジェンス」(ワニブックス)、「拝米という病」(ワック)などがある。
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