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記事全文を読む→韓国・尹錫悦前大統領に死刑求刑「どうせ恩赦だろ」で湧き上がる「死刑執行を再開せよ!」の大合唱
2024年12月の「非常戒厳」からおよそ1年。韓国憲政史上、類を見ないスピードで進んだ「内乱首謀罪」裁判が、ついに大きな山場を迎えた。1月13日、ソウル中央地裁で特別検察官が前大統領の尹錫悦(ユン・ソンニョル)被告に「死刑」を求刑したのである。韓国では内乱首謀罪の法定刑は死刑、無期懲役あるいは無期禁錮しかない。
韓国の現代史において、内乱罪で死刑を求刑された大統領は2人目。1996年、光州事件を主導した全斗煥氏も一度は死刑を宣告された。しかし、わずか1年後には政治的妥協により恩赦され、晩年まで悠々自適の生活を送ったことは、韓国では知らぬ者がいないほど有名な話だ。
韓国在住のジャーナリストが解説する。
「韓国は1997年以降、一度も死刑を執行していない、事実上の死刑廃止国なんです。現状、韓国の刑務所に収監中の死刑囚は約60名といわれますが、政治的・人権的配慮から、全ての執行は凍結状態になっています。言うまでもなく、尹被告は長年、検事総長を務めた人物。ですから、検察の手の内は手に取るようにわかっているはずです。尹被告としては、この死刑求刑が『政治家は政治家に甘い』という世論に対するガス抜きであり、一審で無期懲役を確実に勝ち取るための、検察の『盛り土』に過ぎないと読んでいることでしょう。無期懲役でも、保守政権誕生で恩赦になる可能性がありますからね。政権と検察との関係を知り尽くしているからこそ、そう冷徹に計算していても不思議はありません」
韓国には「辞めた大統領が行く先は牢獄か墓場」というジンクスがあるが、一方では特権階級に対し、様々な免罪符があることも、また事実。今回の前大統領に対する死刑求刑についても、国民の声は思いのほか冷ややかだ。
〈結局、検察の単なるパフォーマンスだろ!〉
〈もう政治ショーはうんざり〉
〈形式だけの死刑など不要。今すぐ執行の判を押せ!〉
SNSにはそんな過激な書き込みが相次いでいる。
政治犯だけでなく凶悪犯罪の増加で近年、死刑執行の再開を求める世論の声が高まっているとされる韓国。ある調査結果によれば、今回の「死刑求刑」を受け、刑執行再開を望む声が7割を超えた、との報道がある。
「特に若者の間では、非常戒厳を機に勃発した一連の行為は、法の下での平等を著しく侵害するもので、国家への裏切りである、と。大統領という最高権力者が犯した内乱首謀罪こそ、死刑執行を再開する正当な理由になりうるはずだ、との声が多く、SNS上ではそんな意見に同調するコメントで溢れ返っています」(前出・ジャーナリスト)
はたして尹被告が辿るのは、薄暗い独房での長く厳しい暮らしか、はたまた「死刑求刑⇒無期判決⇒保守政権下での恩赦」という全斗煥氏同様の黄金ルートか。判決は2月にも言い渡される。韓国民主主義における成熟度が明らかになるのは、その時だ。
(灯倫太郎)
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