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記事全文を読む→北朝鮮エンタメ映画が解禁した「ヌード・テロリスト・過激グロ」3大タブー! 金正恩の検閲で「禁止用語」まで登場させた意図
韓国のエンタメ関係者によれば、厳しい統制下にある北朝鮮の映画はこれまで、その大半を「かの将軍様」を極度に美化する退屈なプロバガンダ作品が占めていたという。ところが今、そんな「平壌エンタメ」が劇的な変化を遂げている。
北朝鮮の国営テレビでは今年1月から「対立の昼と夜」と題した映画が放映されている。物語は1990年代に金正恩総書記の父・金正日氏を狙ったとされる、実際の列車爆発事件をベースに作られている。北朝鮮のエンタメ事情に詳しいジャーナリストの話を聞こう。
「実はこれまではこういった題材を扱うこと自体、北朝鮮ではありえなかった。しかもこの映画では、登場人物がポリ袋で窒息させられる場面があったり、自爆ベストを巻いたテロリストが出てきたり、部分的とはいえ、タブー中のタブーとされていたヌードまで登場しています。これまで北朝鮮映画は、国民に道徳を植え付ける教育映画が主でした。しかし、この作品は過激な描写が多く、完全に大衆の囲い込みを優先した作りになっています。映画の内容を含め、描写については金総書記自身がチェックしているとされますから、北朝鮮のエンタメが、かつてない大きな変化を遂げているといえます」
「対立の昼と夜」は昨年の平壌国際映画祭で最優秀音響効果賞と最優秀男優賞を受賞しているが、これまでの北朝鮮では指導者の身に危険が及ぶ描写は不敬とされ、描くこと自体が不可能だった。さらに同作ではなんと、禁止用語であるはずの「オッパ(お兄さん)」という韓国式の呼び方まで登場。「韓国っぽさ」を悪役や思想的汚染の象徴として描きつつも、映像のテンポやアクションはハリウッドや韓国映画を完全に模倣している。その背景には北朝鮮の若者たちの目を惹きつけるための戦略が見て取れるのだ。
前出のジャーナリストが解説する。
「いくら法律で取り締まっても、北朝鮮の若者たちが秘かに流入する韓国エンタメにどっぷり浸かっている状況に、変化は見られません。ならば毒をもって毒を制すとして、あえて映画でヤバイように描くことで、常に敵に狙われているという危機感を煽り、国民の団結を図る。そんなプロパガンダ戦略への転換が見てとれます」
金正日氏が熱狂的な映画マニアだったことは有名な話だが、息子である正恩氏もそのDNAを色濃く受け継いでいるとされ、
「もっと大胆に、もっと大規模に、という指示のもと、映画やドラマ制作に資金がふんだんに投入されているようです」(前出・ジャーナリスト)
ただ、映画製作の背景にあるのは、指導者としての自身を神格化するプロバガンダであることは言うまでもない。方法はいかに変わろうとも、「恐怖の劇場型統治」は相変わらず。それがこそが北朝鮮のリアルな現実なのである。
(灯倫太郎)
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