政治
Posted on 2026年01月19日 18:00

解散総選挙「食品税率ゼロ公約」2年限定措置がもたらす「小売り現場の悲鳴」と「2年後のヒドイ国民生活」

2026年01月19日 18:00

 衆院選を前に、なりふり構わぬ攻防戦がスタートした。1月18日に行われた、各党の代表者らによるNHK討論番組では、自民党の鈴木俊一幹事長が衆院選の公約に「時限的な食料品の消費税率ゼロを盛り込む」との姿勢を示した。これに新党「中道改革連合」を結成した立憲民主党の安住淳幹事長も同様に、消費税減税を強調。今回の選挙は消費税負担軽減が争点になることは間違いなさそうだ。

 確かに自民党と日本維新の会とが昨年10月に交わした連立政権樹立の合意書には「飲食料品については2年間に限り消費税の対象としないことも視野に法制化の検討を行う」と明記されている。しかし自民党内からは「禁断の果実」と言われてきており、
「今回の『食品税率ゼロ』を自民党に飲ませたのは維新でしょう。自民党内からは『これじゃ、1票をカネで買う買収工作じゃないか』『プライドはないのか』との声が溢れている。法制化するにしても、2年という時限付きですからね。たとえ2年間、食料品の税率が0%になっても、それ以上に物価が上がっていれば、国民の実感は乏しい。むしろ減税によって生じる財政赤字が、将来の大増税として子供たちの世代に跳ね返ってくる可能性は高い。しょせんは一時しのぎでしかなく、抜本的な救済策にはなりえないということです」(政治部記者)

 会計システム改修を余儀なくされるであろう小売り現場では、かつての軽減税率導入時の悪夢が蘇るのではないか、との懸念が広がっている。経済部記者が語る。
「税率が変更されればレジの設定や棚札の張り替えなど、現場のオペレーションが飛躍的に増えることになります。多くの小売店が使用するPOSレジの場合、複雑に絡み合った税率計算のプログラムを書き換えるには、専門業者への多額の発注費用が伴うことでしょう。しかも2年という時限付きなので、導入しては戻し、また変えなければならない。家計には一見、救いの手に映るかもしれませんが、その舞台裏となる流通・小売現場を待ち受けているのは、多大なコスト負担だけです」

「食品税率ゼロ」実施から2年後の国民感情は、どうなるか。現在、2人以上の世帯の食費平均は月額約8万5000円。もし税率が8%から0%になれば、月に約6300円、年間で約7万5000円が浮く計算になる。
 ところが2年という期限が切れた瞬間、家計には年間7万円以上の新たな支出を突きつけられることになる。おそらくその頃には、企業が「無駄な往復コスト」を補填するため、食品自体の価格が高騰。となれば、国民の多くが8%に戻るどころか、10%以上の大増税だと実感する可能性は否定できない。

「時限付き」という甘い言葉に惑わされず、どの党がその先のビジョンをきちんと打ち出すことができるのかを見極める。今回の選挙は、これが最重要事項となる。

(灯倫太郎)

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