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記事全文を読む→前駐豪大使・山上信吾が日本外交の舞台裏を抉る!~高市政権に代わる選択肢シミュレーション「中国に尖閣諸島を占拠されて右往左往」悪夢のシナリオ~
先週、訪中したイギリスのスターマー首相の立ち居振る舞いを見て、暗澹たる気分になった。
それは北京で中国人民解放軍の栄誉礼に臨んだ際のこと。英国を代表する政治家として中国を訪問した以上、背筋を伸ばして堂々と振舞うことが期待されていた。だが視線は自信なさげに彷徨い、しまいには動線を間違えてホスト役の李強首相に指摘されるだけでなく、ほぼ腕ずくで進路を変えさせられる始末。場違いな場所に迷い込んだ犬が躾けられるかの如く、だった。そこには栄華を誇った大英帝国の面影も威厳もなかった。
そもそもなぜ、この時期に訪中か。スターマーの直前に訪問したカナダのカーニー首相にも、これは当てはまる。トランプ大統領の米国との関係がぎくしゃくしているだけに、トランプから「非常に危険だ」と注意喚起されたにもかかわらず、目先の貿易・投資上の成果に釣られて北京詣でに励んだのは明白だった。ファイブアイズの構成国だけに、余計に罪深い。
かつてロンドンで在勤し、日英間の戦略的パートナーシップの重要性を人一倍認識している身として、上記の有様を嘆く投稿をXにしたところ、英国人を含め、たちまち大きな反響に包まれた。そのうちの一人は「あなたのところの首相(注:高市総理)が英国の首相だったらいいのに」と、英国人らしいウイットを効かせた感想を寄こしてきた。
こうしたやりとりこそ、今の世界にあって高市政権が如何に貴重な存在であるかを示している。
英国スターマー、カナダ・カーニー、豪州アルバニージー、仏マクロン、独メルツ、韓国・李在明と羅列すれば、いずれも真正保守からはほど遠く、中国に毅然と対応する戦略眼も胆力も兼ね備えていない政治家ばかりだ。高市総理を除けば、背骨があるのはイタリアのメローニくらいだ。
だからこそ、衆議院選挙での民意を受けて、高市政権には対中関係に腰を据えて取り組んでもらいたい。門田隆将氏との共著「媚中」で詳述した通り、永田町と霞が関には、中国に位負けし、その轡をとることに汲々としている輩が溢れているからだ。
高市早苗政権に代わる選択肢は野田佳彦政権だ。仮定のシミュレーションをしておこう。
野田政権が誕生すれば、真っ先に昨年11月の高市答弁を撤回することとなろう。「台湾有事が存立危機事態になり得る」と言わない代わりに、日本が後方支援をする「周辺事態」にさえあたらないという答弁をする可能性すらある。換言すれば、台湾海峡で有事が発生しようとも、自衛隊は防衛出動も米軍の後方支援もしないことになる。
武力の行使も辞さずとして、台湾併合を目標に掲げた習近平。2027年の第三期任期切れを目前に控え、何らかのアクションを取らざるを得ない立場にある。人民解放軍制服組トップで目の上のたんこぶだった張又侠を排除し、「殿、ご乱心」と羽交い絞めする者はもはやいない。「チャンス到来」と判断し、冒険主義に訴える可能性が、危険なほどに高まる。
台湾が中国共産党の軍門に下れば、東シナ海の戦略環境は一変する。巨大な不沈空母を入手した中国人民解放軍は、東シナ海全域に及ぶ制海権、制空権を手中に収める。米兵に迫る危険を感じた米軍は在沖縄米軍を縮小し、グアム、ハワイ、さらには豪州のダーウィンにまで撤退させる。この動きを見た中国はさらに攻勢を強め、尖閣諸島奪取の挙に出る。
右往左往するばかりの野田政権は「話し合いによる解決」を主張し、中国による尖閣の不法占拠が既成事実化してしまう。
日本政府の中には、もはや日本が中国に歯向かっても詮ないので、これからはアメリカの代わりに中国の意向を忖度して平和と繁栄を守っていこう、との敗北主義が強まる。そうした日本を「愛い奴」とあやすようにパンダの貸与が決まり、公明党幹部はその成果を誇って回る。
アメリカは日本の目を覚まさせようと、日本産品の関税率を15%から50%に引き上げる。
まさに悪夢のシナリオだ。このような展開に思いを致せば今後10年、20年、場合によっては50年に及ぶ日本の将来を決める選挙であることが改めて理解できよう。どちらにせよ、選ぶのは有権者だ。
●プロフィール
やまがみ・しんご 前駐オーストラリア特命全権大使。1961年、東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、84年に外務省入省。コロンビア大学大学院留学を経て、ワシントン、香港、ジュネーブで在勤。北米二課長、条約課長の後、2007年に茨城県警本部警務部長を経て、09年に在英国日本国大使館政務担当公使、日本国際問題研究所所長代行、17年に国際情報統括官、経済局長を歴任。20年に駐豪大使に就任し、23年末に退官。同志社大学特別客員教授等を務めつつ、外交評論家として活動中。著書に「中国『戦狼外交』と闘う」「日本外交の劣化:再生への道」(いずれも文藝春秋社)、「国家衰退を招いた日本外交の闇」(徳間書店)、「媚中 その驚愕の『真実』」(ワック)、「官民軍インテリジェンス」(ワニブックス)、「拝米という病」(ワック)などがある。
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