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記事全文を読む→【ミラノ・コルティナ五輪】「りくりゅう」金メダル演技で「宇宙一」名解説の高橋成美が「木原龍一の元相棒」から吹っ切れるまで
5位からの大逆転劇で日本中の「もらい泣き」を誘ったフィギュアスケートの三浦璃来と木原龍一「りくりゅう」ペア。前日のショートプログラムでのリフトミスで「悪夢」を思い出した人物がいる。感動のフリー演技で「宇宙一」の名言を生んだ解説者の高橋成美氏だ。
実は彼女は木原の「元相棒」。2014年ソチ五輪から導入された団体戦のため、木原をペア競技に誘ったのが、1歳上で2012年世界フィギュアスケート選手権ペア銅メダリストの高橋氏だった。
ペアを組んでいたトラン選手は親がカンボジア難民で、親子でカナダ国籍を取得。日本国籍でソチ五輪出場に出ることが認められなかった。木原はというと、当時の男子フィギュアは羽生結弦とパトリック・チャンの「2強」時代。ジュニアには「天才少年」宇野昌磨が登場していた。なかなか抜きん出ることができず、ペア転向を余儀なくされた。
当時の木原は身長178センチに対し、体重60キロ。女性を投げたり、持ち上げるだけの腕力を欠き「肉体改造」を迫られる。高橋氏も肩の亜脱臼や膝の故障を抱え、男性が女性を高く投げてジャンプするスローが、じわじわと膝をむしばむ。2人はソチ五輪後にペアを解消することになった。
その後、木原は1日7食という過食で、吐きながら食べ続ける過酷な肉体改造を敢行し、体重を約20キロ増。空手で鍛えた体幹の強さと瞬発力のある9歳下の三浦と「運命の出会い」をするわけだ。
解説者に転向した高橋氏は、新たなペア結成後に快進撃を続ける「りくりゅう」に複雑な感情を抱いたと、スポーツ誌や週刊誌に、次のように語っている。
〈未練タラタラで(選手を)やめました〉
〈あの喜びを私が味わいたかったのに〉
〈以前組んでいた人が別の人と組んで上手くなると自分に何かが足りなかったのかなと思ってしまう〉
〈すごく心がソワソワして。正直、引退直後は自分を重ねたり、過去を振り返ったりすることはめちゃくちゃありました〉
だが、木原と三浦を見ていて、あることを思い出す。
〈自分がペアをやりたかったのは、ペアという競技がカッコいいと思ったから〉
自分の気持ちに正直に向き合い続けたから、フリー演技解説でとっさに「宇宙一」の名言が飛び出したのだろう。そんな解説者に、視聴者からの「金メダル」を贈りたい。
(那須優子)
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