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Posted on 2026年03月21日 10:00

漫画家・弘兼憲史の男子厨房に入るべし!〈お好み焼き〉キャベツの蒸し焼きがキモ。熱々をコテで食べるのがツウ

2026年03月21日 10:00

 お好み焼きといえば関西風か広島風かで度々論争になりますね。他県では、間違いを避けるためにあえて「広島焼き」と言ったりしますが、広島県内では単に「お好み焼き」と呼ばれていて、「広島焼き」と呼ばれることに抵抗があります。広島の人にとっては「焼きそば入りこそが本家のお好み焼き」というわけです。

 2つのお好み焼きの違いは、具材を混ぜる(関西)、具材を重ねる(広島)、キャベツの調理法、麺の有無、ソースの違いなど多々あります。

 僕は山口県岩国市の出身ですから、馴染みがあるのは「広島風」です(もちろん関西のお好み焼きに敵対心はありません(笑))。作り方を簡単に説明しましょう。材料は、小麦粉、焼きそば麺、卵、キャベツ、豚肉、天かす、オタフクソース。

 まず小麦粉を水で溶いた生地をフライパンに流し込み、クレープ状に薄く焼きます。その上に千切りの山盛りのキャベツ、天かす、豚バラをのせます。ある程度火が通ったら生地を引っくり返します。大崩れしやすいのでここが難しい!

 焼きそばは別に作ります。ソースで味付けをして、先ほどの生地を上にのせます。さらに薄焼き卵を作ります。卵が焼けたら、その上に焼きそばごとのせます。そして引っくり返す。仕上げにオタフクソースをかければ完成です。ポイントはキャベツを蒸し焼きにすることとオタフクソースを使うことでしょうか。

「広島風お好み焼き」は重ね焼きなので具材の崩れを防ぐなどの技が少々求められます。もちろん自分でも作れますが、やはり手間なので基本的にはお店に食べに行くことが多いですね。

 オススメは広島・新天地の「お好み村」。25店舗が勢揃いする観光名所です。ここは、お店の人が全部作ってくれるのでとても楽です。ここも「広島風お好み焼き」のポイントですが、食べる時は箸ではなくコテを使います。鉄板の焼きたての熱々をコテで切り分けながらハフハフして食べるのがツウの食べ方です。

 そんなお好み焼を僕が初めて食べたのは、小学生の時でしょうか。近所のおばあちゃんが、自宅の土間のようなところで作ってくれました。具はキャベツと天かすぐらいしか入っていませんので「キャベツ焼き」と言ったほうがいいかもしれません。キャベツや天かす入りのクレープ状の生地にソースをかけて食べていました。ちなみに卵は高価だったので入っていません。値段は5〜10円ぐらい。昭和20〜30年代の頃の話です。

 高校生の時は、学校から自転車で帰る途中にお好み焼き店があって、よく通っていました。初めて食べたのが「豚玉」でした。恐らく、ここが初めて正式なお好み焼きを食べた店だったのだと思います。

 大学を卒業して関西の企業に就職してからは、よく「ぼてぢゅう」にも行きました。お好み焼きをコテで「ぼてっ」と引っくり返し、鉄板で「ぢゅう」と焼くことに由来しているネーミングもセンスあります。

 こうしてみると子供の時から食べていたので、お好み焼きはソウルフードといっていいかもしれません。

弘兼憲史(ひろかね・けんし)1947年、山口県生まれ。早稲田大学法学部卒。松下電器産業(現パナソニック)に勤務後、74年漫画家デビュー。以来『課長 島耕作』『黄昏流星群』などヒット作を次々生み出している。07年には紫綬褒章を受章。

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