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「アイドル道」は様々な人材を輩出した。
中川翔子、紗栄子、北乃きい、森下千里。そして、ブレイク前の沢尻エリカが出演していたことで「伝説の番組」となった。
佐々木は全員と平等に接し、一切の特別扱いをしなかった。
「オーディションで集めたメンバーは、これからトップに行くだろうという子も、事務所の押しで入ってきた子もいて玉石混交でした。でも僕は差別化しない。そういうやり方は好きじゃないので、全員と平等に接したつもりです。ただ、エリカはフジテレビのビジュアルクイーンに選ばれていて、フジに行くと彼女のポスターが貼ってあったり、バリュー的に抜きん出たところがあって、周りの女の子も彼女に遠慮するし、エリカ自身は自分から積極的にアプローチしてくる子でもない。たたずまい的には近寄りづらい感じでしたけどね」
実際に話してみると、印象は変わった。
「めちゃめちゃいい子なんですよ。ちゃんと人の目を見て話す子で、17歳なのにしっかりしてた。制服とグラビアで分かれていたチームをセカンドから一緒にしましたが、グラビアの子たちはエリカより3つ4つ年上なのに『姐さん』と呼ぶんですよ(笑)。それぐらい姉御的な存在で、セカンドから参加した中川翔子はすぐ『沢尻様!』って崇拝してましたから(笑)。潜在能力的に周りを引き付けるリーダーシップがあったんだと思います」
沢尻がバラエティーを理解した瞬間を、佐々木は鮮明に覚えている。
「第1シーズンで制服チームはチアリーディングをやったんですけど、それだけじゃなくてエチュード(即興劇)やモノボケとかいろんなことをやりました。その中で三角のおにぎりを持った沢尻がビキニのように胸に当てて『あ、違うか』と。スタジオ大爆笑ですよ(笑)。クールな沢尻がまさかそんなボケをすると思ってなくて、僕も大爆笑したんです」
収録が終わり、佐々木は沢尻に声をかけた。
「お前いいじゃん、バラエティーはそれだよ!」
沢尻はニコっと笑い、うれしそうな表情を見せた。
「『この現場では、そういうのも出していくようにしようぜ』と話しました。沢尻は素直で、頭のいい子なのですぐに飲み込む。周りも『いじっていいんだな』とわかって、沢尻を『ジリさん!』といじり出したんです(笑)。番組が始まったころはバラエティーがわからなくてスンとしてたのが、そこで一つ殻が破けた。本人も『アイドル道』の現場が楽しくなったんだろうし、『周りの子たちともっと盛り上げたい』と思うようになったんじゃないかな」
佐々木敦規(ささき・あつのり)1967年生まれ。演出家・映像ディレクター。フィルムデザインワークス取締役。「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!」「とんねるずのみなさんのおかげでした」「IPPON GP」などのバラエティー、K-1やプロレスなど格闘技番組の演出を経て、ももクロのステージ演出を手掛ける。
取材・構成/茂田浩司(ライター&編集者)
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