芸能
Posted on 2015年09月07日 17:58

戦後70年「日本のアイドル近代絵巻」、焼跡に響く復興歌姫の50年代

2015年09月07日 17:58

20150907kindai-b

 実は戦時中より、終戦直後のほうが人々の暮らしは厳しいものであった。食糧難や経済の不安はあったが、そこに希望の光となったのが「リンゴの唄」である。歌ったのは並木路子で、自身が主演した戦後初の公開映画「そよかぜ」の主題歌として作られた。

 この年の暮れには、現在の紅白歌合戦の前身となる「紅白歌試合」がラジオで放送されたが、並木はこれに出演。翌46年1月にはレコード化され、当時としては空前の数字である12万枚を記録。並木こそ、事実上の“戦後初の国民的なアイドル”と呼べるかもしれない。

 そして美空ひばりの登場である。89年の没後に国民栄誉賞に輝いた実績の数々は広く知られているが、ひばりには江利チエミ、雪村いづみという仲間がいた。これを「三人娘」と称して映画でも共演したが、この方法はアイドル史において大きな意味を持った。トリオという形はバランスが抜群に良く、ファンの相乗効果をあおることもできる。ひばりに引っぱられる形で三人娘の人気が爆発し、人々は少しずつ豊かになってゆく暮らしに重ね合わせ、夢を見た。

並木路子

戦争が終わったばかりの昭和20年、初の国民的ヒットとなったのが「リンゴの唄」だった。敗戦に打ちひしがれた人々の心を勇気づけた。

美空ひばり

昭和を代表する大スターであり、時代が平成に変わったと同時に没すると国民栄誉賞を授与された。幅広い層への人気は空前絶後だった。

江利チエミ

まだ「戦後」という言葉が生々しかった50年代に、英語の歌でデビューしたことに人々は驚く。実写版「サザエさん」で庶民性も発揮。

雪村いづみ

ひばり、チエミ、いづみが揃ったことで、日本のアイドル史の雛型となる「三人娘」が完成。亡くなった2人との絆を今に伝えている。

ザ・ピーナッツ

抜群のハーモニーも、クレージーキャッツとともにコントに取り組む姿勢も魅力。さらに「モスラ」の小美人は最大のハマリ役だった。

こまどり姉妹

ピーナッツに対抗し、演歌版の双子の姉妹として売り出された。大病やファンからの襲撃という不運はあったが、今も2人して現役だ。

(石田伸也)

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年01月14日 07:30

    昨年あたりから平成レトロブームを追い風に、空前の「シール」ブームが続いている。かつては子供向け文具の定番だったシールだが、今や「大人が本気で集めるコレクターズアイテム」として存在感を放つ。1980年代から90年代を思わせる配色やモチーフ、ぷ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月19日 07:30

    鉄道などの公共交通機関で通勤する人が、乗車の際に使っている定期券。きっぷを毎回買うよりは当然ながらお得になっているのだが、合法的にもっと安く購入する方法があるのをご存じだろうか。それが「分割定期券」だ。これはA駅からC駅の通勤区間の定期券を...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月22日 07:30

    今年も確定申告の季節がやってきた。「面倒だけど、去年と同じやり方で済ませればいい」と考える人は少なくないだろう。しかし、令和7年分(2025年分)の確定申告は、従来の感覚では対応しきれないものになっている。昨年からの税制の見直しにより、内容...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/2/3発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク