社会

石原都知事は知らない 首都高速「震度6で大崩落」の驚愕実態(4)「造り直す方向で考えたい」

 渡辺氏はさらに警鐘を鳴らす。
「阪神高速が阪神・淡路大震災で倒壊した時、一部には手抜き工事を疑う声もあった。それでなくても、首都高は長年にわたる酷使で経年劣化が進行し、建設年次の古い路線などはまさに重症。路盤を張り替えるため、アスファルトを引き剝がしてみたら、下のコンクリートがボロボロの状態だった――そんなこともあったと聞いている。
絆創膏を貼ってその場を凌ぐ応急措置は、もはや限界に来ていると見ていいでしょう」
首都高のウェブサイト内にあるドライバーズサイトには、「大地震が発生したら」と題し、
〈停車するときは左側か右側に寄せ、緊急車両用に中央部を開けてください〉
〈二次災害防止ため、自分の判断でむやみに行動しないでください〉
 などと書かれている。しかし、首都高そのものが崩壊してしまえば、「停車するときは」も「二次災害防止のため」も何もない。こんな注意書きにむなしさを覚えるのは、恐らく筆者だけではないだろう。
 誰しも恐怖を覚える一連の疑念に対して、首都高広報室は、
「阪神・淡路大震災以後、当社は必要な補強工事を着実に進めてきました」
 と実績をアピールする一方、例の「生コンに廃材」の一件については、困惑気味にこう答えた。
「当時も施工段階での立ち会い検査は行われたはずです。そんな話は聞いたことがなく、コメントのしようがありません」
 しかし、建物にせよ道路にせよ橋にせよ、関係者の間で高度成長期の「粗製乱造」が問題視されてきたのもまた事実。そんな中、首都高速道路株式会社では今、社内に調査研究委員会を立ち上げ、首都高の大規模更新のあり方について、検討が進められている。
 今後も絆創膏による応急措置を続けていくのか、それとも建設年次の古い路線を造り直すのか。国交省をはじめとする関係各機関との議論は始まったばかりだが、首都高広報室にこの一件についての見解を尋ねてみると、
「当社としては、造り直す方向で考えていきたい」
 はからずも、こんなホンネが返ってきたのだ。
「いまさら60年代の粗製乱造の責任を追及してみたところで意味はない。問題を一気に解決するには造り直しがベストだが、その場合は建設費用の一部を通行料金に転嫁せざるをえない。安全を取るか、経済を取るか、悩ましい問題だ」(前出・旧建設省OB)
 老朽化した路線の安全性は「待ったなし」の状況にある。

カテゴリー: 社会   タグ:   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
4
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身