社会
Posted on 2016年02月19日 01:55

秋津壽男“どっち?”の健康学「インフルエンザの拡大を防ぐ加湿器の威力 湿度60%以上になるとウイルスが死滅する」

2016年02月19日 01:55

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 前回は風邪に関するお話をしましたが、今回は全国的に流行しているインフルエンザについてお話をします。

 よくインフルエンザと風邪を混同する人が多いですが、初期の症状に大きな違いがあるのをご存じでしょうか?

 一般的に、風邪の場合は「咳が出る」「喉がムズムズする」「だるい」などの自覚症状が出るのが特徴で、体温も徐々に上がります。

 しかし、インフルエンザは多くの場合、突然の高熱から始まり一気に症状が悪化します。通常、毎年11月頃に始まり冬休みで小康状態となり、1月から3月にかけて流行のピークを迎え、春になると沈静化します。

 治療薬としては近年、タミフルが注目されていますが、他にもミレンザやイナビルなども有効な治療薬とされています。一部報道では、副作用について懸念されていますが、経験上、成人の場合には特に問題があるとは思えません。むしろ発症から48時間以内に服用すれば、かなりの効果が期待でき、放っておけば回復するまで4~5日かかる症状が、1日半ほどで改善します。また予防策として、毎年ワクチン接種をしている方も多いでしょう。希望者の人と話していますと、ワクチンの効き目が1年間と勘違いする人が見受けられますが、実際には毎年流行するウイルスが変わるために、それに合わせたワクチンを接種しているにすぎません。一度接種したワクチンの効用は長期間に及ぶので、継続的に毎年ワクチンを接種していると、種類の違う旧来型のウイルスが流行した場合、類似したウイルスのワクチンを以前に接種していれば、インフルエンザにならない可能性が高くなります。当然、新型インフルエンザの場合は、こうしたケースが当てはまりません。

 かつて第一次世界大戦時には、スペイン風邪がはやり多くの命が犠牲となりましたが、その後、第二次世界大戦以降は香港風邪が主流となりました。近年でもA型ウイルスやB型ウイルスなどに加え、鶏インフルエンザや豚インフルエンザが流行したのも記憶に新しいでしょう。このように、流行するウイルスによってワクチンも変わってきます。継続的なワクチンの接種が予防策として、いちばん有効なのは言うまでもありません。さらに言えば、ワクチンを打たなくても、過去に何度かインフルエンザにかかったことがあれば、それなりに免疫もできており、感染確率は低くなる傾向にあります。高齢者もしかりです。

 では、家族がインフルエンザにかかった場合、予防として、より効果的なのは「マスクやうがいをする」のと「加湿する」のどちらでしょう。

 インフルエンザウイルスは湿度が60%以上になると死滅(失活)します。マスクや手洗いも予防としては正解ですが、ウイルスを殺すには、朝に窓が結露するぐらいの加湿がウイルスを追い出し、飛沫感染の確率を大幅に減らします。

 たいていの場合、子供が幼稚園や小学校でもらったウイルスにお父さんがかかり、最後にお母さん、という順番で感染しますが、母親が最後に感染するのは気合いが違うからです。「私がかかったら誰も家事ができなくて大変だ」という気合いも、実は免疫力を高めるのです。

 インフルエンザにかかったら、速やかに薬を飲んで外出せずに家でおとなしく寝ていること。水分を十分にとって安静にするのが、元気回復の源となります。

 さらに加湿器をつければ家族に感染するリスクが減りますから、ぜひマナーとしても加湿器の使用をオススメします。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

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