社会

アキれた“地方創生”…文化庁「京都移転」で職員は大喜びのゲス本音

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 中央省庁の地方移転プランがさまざまな波紋を広げている。すでに報道され、具体化しているのが、消費者庁が徳島県へ、そして文化庁は京都府へ、というもの。ところが、この両当事者たちの反応は正反対だというのだ。その「アキレた理由」とは‥‥。

「島流しにされる!」

 これは徳島への移転が現実化しつつある消費者庁の職員の声なのだという。

 政府は昨年、東京、埼玉、神奈川、千葉以外の道府県から、誘致したい省庁などの提案を募った。その結果、希望があったのは徳島(消費者庁)、京都(文化庁)、大阪(中小企業庁)、三重(気象庁)、北海道と兵庫(観光庁)など。政治部デスクが解説する。

「安倍内閣の目玉政策の一つである『地方創生』の一環です。具体的に話が進んでいる消費者庁と文化庁は、そのいけにえになった、との声が出ています」

 消費者庁の移転は、河野太郎消費者担当相(53)が前のめり状態で大乗り気だ。何しろ一部職員による、現地での数日間の「お試し勤務」まで実施。文化庁も京都移転の基本方針原案が決められた。3月6日には菅義偉官房長官(67)が、

「京都には(文化庁が保護対象にしている)国宝級の文化財が数多くある。馳浩文部科学相(54)が前向きの方向で調整している」

 と報道陣に語っている。

 ところが、両庁の官僚や職員の間には、意外な温度差が表れているという。冒頭の声のごとく戦々恐々とする消費者庁に対し、文化庁にはむしろ、大喜びする面々が多々いるからだ。文化庁関係者が明かす。

「京都移転は大歓迎ですよ。けっこうな単身赴任手当が出ますし、基本的にはキャリア官僚だと2、3年ほどの期間だけ。ずっと京都にいるわけではないですから。京都で2、3年だけなら観光気分でいいですよ。至れり尽くせりの接待も楽しめるわけですし」

 接待とはいったいどういうことか。前出・政治部デスクによれば、

「文化庁には『宗務課』という部署があり、ここは寺院などの宗教法人を管轄する。寺院はこの宗務課の職員を接待するのです」

 前出・文化庁関係者が具体例をあげる。

「例えば以前、京都に出張した際には、とある有名寺院から接待を受けました。ご贔屓さんしか入れない敷居の高い祇園の茶屋でした。もちろん舞妓さん遊びもできたりと、豪華でしたよ。祇園のスナックにも連れて行ってもらいましたね。京都移転となれば、寺院の総本山などからのこうした高級接待が常態化するので楽しめますよ。もう、ウハウハです」

 何ともゲスな本音である。しかし、そもそも寺院が文化庁を接待するからには、「見返り」「メリット」が何かあるはずである。

「寺院が取りしきるイベント、例えば講演会や祭典、寺院が監修した映画や舞台を開催するにあたり、『文化庁選奨』というようなお墨付きを得られると補助金が出ますし、スポンサーもつきやすい。さらに、そのお墨付きを得た回数が(住職や総代への)文化勲章に結び付きます。勲章の位が高いと、檀家や企業スポンサーなどが出すお金、いわゆるお布施や奉納料といったものがアップします」(前出・政治部デスク)

 双方が潤うシステムなのである。なるほど、高級接待にいそしむのもむべなるかな。だが、そんな遊び気分の職員を税金で賄うことに、国民は「フザけるな!」と言いたいところ。与党担当記者が言う。

「地方創生だといいますが、省庁を移転しても何の効果も期待できません。国会で審議があって呼ばれると、役人は国会に出向かなければならない。移動費用も時間もかかるというムダが発生します。省庁だけを地方に持っていってもダメで、国会ごと移転しないと。このままでは小手先の改革として終わるでしょうね」

 移転には多額のコストがかかり、当然ながら税金が使われる。下心まる出しの省庁とその管轄団体を太らせるだけの改革など、とうてい「地方創生」とは呼べないだろう。

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