芸能
Posted on 2016年07月31日 17:57

追悼・大橋巨泉 愛弟子・共演者が語るゲバゲバ型破り人生!(2)「読売」で広島カープを特集

2016年07月31日 17:57

20160804e2nd

 70年からは「中央競馬ダイジェスト」(フジテレビ系)で競馬評論家としても本格的に活動を始めた。

「競馬についてはズブの素人でした。そこで巨泉さんは専門の取材スタッフに情報収集を頼んで、彼らから渡されたノートを頭に叩き込んでいた」(テレビ関係者)

 知識はにわか仕込みでも切れ味鋭い話術で補った。

「局のプロデューサーにも媚びることなく、モノが言える人だった。ビートたけしにも『お前よ~』と小僧扱いしていたが、そういうスタンスは引退するまで変わらなかった」

 とは、インタビュー経験がある芸能評論家の肥留間正明氏だ。番組作りにも独自のスタイルを貫いた。

「番組に呼んだゲストのノリが悪いと、さりげなく水割りを出していた。ビックリしたのは、75年に広島カープがセ・リーグで初優勝した際、『11PM』で特集を組んだこと。日テレの親会社を差し置いて、巨人の宿敵を特集するなんて考えられなかったけど、巨泉さんは何も言わせなかった」(前出・テレビ関係者)

 小倉智昭と同じく巨泉さんを師とあおぐ愛弟子、タレントの乱一世(66)も、全盛期を知る一人だ。

「巨泉さんの事務所に所属が決まって、挨拶しようと『11PM』の収録スタジオにうかがった。たまたま用事があって、スタジオの脇にある赤電話で通話していたら、ツカツカとやって来て『オイ、俺が使うから今すぐ切れ』ですからね。迫力に圧倒されました」

 所属2年目にして、乱は事務所主催のパーティの司会を任されたが、

「死に物狂いで務めました。巨泉さんが、『こんなにしゃべりのおもしろいヤツがうちにいたんだねえ』とほめてくれた。それが自信になって、この世界でやっていく決意が固まったんです」(乱)

 巨泉さんが生涯の趣味にしていたゴルフにも、乱は何度も付き添っている。

「プレーよりもマナーを大切にする方でした。別の組で回っていた女性客のグループがうるさくてね。巨泉さんはすぐに注意しに行って『静かにしなさい』と一喝していました」(乱)

「週刊現代」(7月9日号)に掲載された連載コラム「今週の遺言」最終回では、

〈このままでは死んでも死にきれない〉

 としたうえで7月の参院選を視野にこうつづった。

〈選挙民をナメている安倍晋三に一泡吹かせて下さい〉

 だが、結果は与党の大勝に終わった。

「身をもって戦争の悲惨さを知る巨泉さんは、日本が『戦争ができる国』になってしまうのをいちばん心配していたのではないでしょうか」(前出・肥留間氏)

 ふてぶてしく、頼もしくもあった“巨泉節”はもう聞けない。合掌──。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/6/24発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク