芸能

宇多田ヒカル「全米3位」新作アルバム「Fantome」で見ていた「藤圭子の亡霊」

20161020d

 10年に突如、「人間活動に専念したい」と宣言後にロンドンへ移住し、活動を休止した宇多田ヒカル(33)が8年半ぶりにアルバム「Fantome」を発売し、旋風を巻き起こしている。そこには、3年前にビルから飛び降り、自ら命を絶った母親、藤圭子の「亡霊」が介在していたというのだが‥‥。

 10月1日に終了したNHK朝ドラ「とと姉ちゃん」では、主題歌「花束を君に」を担当。それも収録された宇多田の最新アルバムが、爆発的な勢いで売れている。

「CDが売れないこのご時世に、初週売り上げが25万3000枚。全米チャートでも3位を記録しています。本人も『どういうこと?』と驚くほどでした」(ワイドショースタッフ)

 実は今回のアルバムは、売れるかどうかよりも、彼女の「特別な気持ち」によって制作された経緯が重要なのだと、芸能関係者は言う。

「これは母である藤さんへ贈ったものなんです。アルバムのタイトルもフランス語で『幻』『気配』『亡霊』などの意味で、藤さんそのものを投影しています」

 藤、そして父・宇多田照實氏(68)と家族3人でユニットを組むなど、デビュー当時は仲がいいと評判だった宇多田ファミリーだが、実は母娘の間には長らく確執があった。ワイドショースタッフが解説する。

「宇多田は自身のプロデュース方針で揉める両親と、徐々に距離を置いていきました。02年に紀里谷和明氏(48)と結婚すると、藤さんは娘と縁を切るかのように世界中を放浪。関係を修復する機会もなく、疎遠のまま、13年に自ら命を絶ちました」

 突然の別れの翌年、宇多田はイタリア人バーテンダーと再婚し、男児を出産。

「子供ができたことで、母親を思うようになったそうです。すると日常的に藤さんの『幽霊』が目の前に現れた。『常に母親の存在を感じる』と周囲に漏らしていたそうです。子育て中、何をしていても悲しくなる時期が続いた、とも‥‥」(前出・芸能関係者)

 新作アルバムは、死してなお姿を見せる母親の鎮魂の意味があるといい、同時に至るところに藤へのリスペクトもかいま見られる。

「曲調は(かつての藤の歌のような)古いポップス色の強いものが多くなっています。ジャケットの宇多田のビジュアルは、藤さんソックリ。それは、わだかまりが残ったまま離れ離れになった母への『成仏してほしい』という思いからだそうですよ。アルバムを出したあと、宇多田は『気持ちが落ち着いて、母を見ることが少なくなった』と周囲に話しています」(前出・芸能関係者)

 このアルバムの大ヒットにより、NHK紅白出場の可能性も急浮上。NHK関係者によれば、

「そもそも、今年4月の復帰番組がNHKの『SONGS』でした。同じ経緯で紅白出場が実現したケースも多いだけに、期待大ですよ」

 藤は70年に紅白に初出場したが、73年に落選した際には「自ら命を絶とうとした」と報じられるほど紅白に強い思い入れを持っていた。

「77年に再び落選すると、『もう一度、紅白に選ばれたい。そしてこちらから辞退してやるの』と恩讐を募らせていた」(音楽関係者)

 宇多田の初出場がかなえば、紅白にまつわる藤の怨念も鎮められるかもしれない。

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