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記事全文を読む→秋津壽男“どっち?”の健康学「“脳血管疾患”と“ガン”は発見可能か。50代になったら受けるべき検査はどっち?」
厚生労働省が発表した「日本人の死亡原因」は、1位が悪性新生物=ガン、2位が心疾患、3位が脳血管疾患となっています。以下、肺炎・老衰・不慮の事故…となっており、この順位は40代から80代までほぼ同じで、50代になるとガンのリスクが高まるということがわかっています。
そんな50代を迎えた時に受けておきたいのが、脳卒中や脳出血、くも膜下出血など脳の病気を予見する「脳ドック」と、ガンの早期発見ができる「ガン検診」です。
50代は仕事が忙しく、なかなか時間が取れません。どちらか一つを受けるとしたら、まずどちらから受診するべきでしょうか。
脳ドックでわかるのは、「脳腫瘍」と「脳動脈瘤」です。「隠れ脳梗塞」もありますが、脳梗塞があれば脳ドックの前に麻痺で気がつきます。
「脳腫瘍」と「脳動脈瘤」は、どちらも手術をすれば治ります。脳動脈瘤はサイズが5ミリ以下なら手術の必要がなく、5ミリ以上なら手術で心配は消えます。
特に威力を発揮するのは「未破裂動脈瘤」の早期発見です。ほとんどが無症状であり、発見は脳ドックが唯一の手段。高血圧や糖尿病、家族に脳卒中患者がいる人は、自分の脳の状態を知る絶好の機会となります。
一方、ガン検診も受けたほうがいいものの、異状なしでも見逃しがあるなど、精度がそこまで高くありません。ガン検診で腫瘍マーカーが高いと言われても、ガンが見つからなければ心配が増えるばかりです。よくあるのが、腫瘍マーカーが人の倍あるのに精査の結果ガンが見つからず「様子を見ましょうか」となりますが、これは患者さんにとっては“生殺し”状態です。「酒もタバコもやらないのに肺ガンになってしまった」という人もいるとおり、正直なところ、ガン検診を受けてもガン細胞が見つかりにくいこともあります。つまり、ガン検診は100%ではないのです。
よって、50代がまず受けるとしたら「脳ドック」がオススメです。
脳ドックは料金が高いですが、受診するだけの価値があります。毎年受ける必要はなく、5年に1回で十分。ある年に脳腫瘍も脳動脈瘤もなければ、5年後に見つかっても十分間に合いますが、ガン検診は受けだしたら毎年受けないと不安になります。
ただし、ガン検診も、とりあえず1回は受けておく価値があります。
ガン検診の第一段階はいわゆる「フルコース」ですが、「あなたは大腸ガンの可能性があります」「あなたは胃ガン予備軍です」とわかれば、第二段階の検査で大腸や胃などリスクの高い部分に検査をしぼれます。大腸カメラの結果、異状が見つからなければ、「10年したらもう1回受けましょう」で十分でしょう。
自分がガンになるとしたら、どこの部位のリスクが高いか、1回調べておけば安心できます。
ガンが遺伝であることがわかっている以上、身内(特に父と母)がガンになった人は受けておくべきです。誤解されがちですが、いわゆるガン家系というのはなく、わかりやすく言えば「大腸ガン家系」「胃ガン家系」「膵臓ガン家系」「肺ガン家系」があるのです。
母が56歳で乳ガン、母の母が卵巣ガンで亡くなったアンジェリーナ・ジョリーさんは、発病前に乳ガン予防のため乳房の切除手術を受けましたが、それも、母と祖母の二代にわたる遺伝子系のガンにより、リスクの高さを自覚したからです。
■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。
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