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記事全文を読む→死んでも「アイツ」に勝ちたかった【9】 岡留安則 森総理の「買春検挙歴報道」提訴に徹底抗戦!(3)
大々的に「森の指紋」を募集
01年4月、第一審判決が下る。だが結果は、岡留氏が期待していたものではなかった。森氏側の名誉毀損の主張が認められ、噂眞には300万円の賠償金支払い命令判決が下ったのだ。
あの判決はまさか、と思ったよ。森の厚顔ぶりにもアキレたけど、それ以上に日本の司法にも失望せざるをえなかった。東京地裁は肝心の売春検挙歴の有無については判断を一切保留して、本筋とはまったく関係ない部分の記述での名誉毀損を一部認めてしまった。
大手メディアもこの判決のおかしさを知っていながら歯切れが悪くて、これにもガッカリだったね。
もっとも、ちょうど判決が出た同じ時期に在任わずか1年1カ月で森内閣が退陣している。噂眞の記事が森を追い込んだ大きな一因になったことは間違いないと思っているよ。
一審敗訴の判決は下ったが、そのくらいではひるまないのが“ウワシン・ジャーナリズム”の真骨頂。岡留氏は即刻控訴をすると同時に、誌面でも徹底抗戦を開始する。
こっちには、事件番号や森の指紋番号があったからね。警視庁は照会を拒否したけど、ならばこちらで独自に証明してしまえばいいと考えた。
そのためには森本人の指紋が必要だったんだけど、逆転への“ウルトラC”として、誌面で30万円の懸賞金付きで大々的に森の指紋を募集することにした。森のようなメンタリティの男なら、後援会や料亭なんかに相撲取りのように自分のサイン入り手形を残しているはずだと思ったんだ。直感だけど確信はあったね。
案の定、森の両手指紋がハッキリと付いたサイン入り色紙を持っていた姓名鑑定家が名乗り出てくれた。これを「指紋の神様」とまで呼ばれた警視庁OBの塚本宇兵氏に鑑定を依頼してもらったところ、誤差500万分の1の確率で森本人の指紋番号と一致した。
森氏側は「指紋番号は民間会社が特定などできない」と抗弁を続けたが、裁判所は両者に和解を勧告。しかも、その和解内容は一審判決とは大きく異なり、賠償金はゼロ。森氏の地元の「北国新聞」と、「日経新聞」に簡単な訂正内容を出すだけというものだった。
裁判所としても見るに見かねたんだろう。このままいけば、一国の総理大臣に買春検挙歴があったことを認める判決文を書かなければならない。それは忍びないという政治的配慮で和解を勧めてきたんだろう。
ウチとしては、一審判決を撤回させ、実質的に高裁で勝訴したも同然という思いで和解案を受けることにした。この経緯なら誰が見たって「検挙歴は本当だったんだ」と思わせるに十分だったし、読者や業界にも胸を張れるからね。
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