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俺たちのビートルズを熱く語ろう(2)

「ビートルズを絶対に聴け」は横暴だね

 そんなことを考えていくと、ビートルズ以前にも、以後にも、すばらしい音楽、バンドはたくさんあるわけで、「ビートルズを絶対に聴け」なんて言うのは横暴だと思うんですよ。いまだに「ビートルズはすごい」なんて言って、番組をやっている僕らにも責任があるわけだけど(笑)。時代が変われば「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」(67年/ビートルズ8枚目のアルバム)が、ロック史の金字塔として扱われなくてもいいと思うし、昔の歌が好きならばオーティス・レディングを聴いてもいいわけで、そのほうがよっぽど健全ですよ。

 とはいえ、ミュージシャンを目指しているような人は、絶対にビートルズを聴くべきです。ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソン、ザ・フーのピート・タウンゼント‥‥あの時代のすごいバンドには、必ずぶっ飛んだ天才がいたんですけど、ビートルズにはポールとジョンという、個性の異なる天才が2人もいた。それだけに確執も絶えなかったわけだけど、例えば、ポールが「サージェント・ペパーズ─」のコンセプトを決定すると、それを受けてジョンは「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」なんていう名曲を、ぱっと作っちゃうわけです。この究極の切磋琢磨は他のバンドでは見られない。そういう意味で、ビートルズの楽曲はネタの宝庫です。言葉は悪いけど、若い人たちが彼らの曲から何かを盗んだっていいと思います。それぐらい「威力」のある楽曲だらけなんですから。今の時代に聴いてもね。

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