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記事全文を読む→ビートたけしの金言集「どっかでちょっと落語やりに行けねーか」
「今度、談春さんに頼んで弟子にしてもらって、立川梅春(ばいしゅん)って名前で、ちょっと落語やろうかと思ってよ‥‥」
ひと月程前、立川談春さんが、家元・立川談志師匠のもとでの修業時代の話を記された、べらぼうに興奮するベストセラー本「赤めだか」のドラマ化に伴い、故・談志師匠役を演じられ、日々撮影に追われていた殿は、大変真剣な面持ちで先の発言を炸裂させたのです。
なぜに殿が談春さんに弟子入りを志願したの? 説明します。
2015年3月の頭、ドラマを絶賛撮影中だった殿は、撮影とはいえ、いつになく落語を至近距離で体感していたためか、日常会話の中でも、落語の話題を持ち出す機会がすこぶる多く、とにかく、“オイラが今一番興味あるものは落語をおいて他にはない”といった空気をビンビン漂わせておりました。
ちなみに、先の“談春さんへの弟子入り志願発言”には続きがあって、
「だけど談春さん、弟子にしてくれるかな?」
といった、“実にチャーミングな不安”を、しっかりと漏らされてもいました。
さて、弟子となって18年、日々「ビートたけし」を、“耳の産毛が確認できるほどの至近距離”で見続けてきたわたくしが思うに、殿の中で、今日までに何度か密かな落語ブームの波はあったのですが、“今回の波”は、間違いなく過去最大であり、その要因を殿はこう説明しています。
「この年だと、もう瞬発力が求められるような、昔やってた漫才はできないから、今のオイラには、座ってじっくりやる落語が、もしかしたら一番向いてるかもしれないね」
で、その“過去最大の波”はすぐに結果をもたらすことになります。
2015年3月末、殿の「弟子にしてくれねーかな」発言のわずか3日後、その談春さんが国立演芸場で5日間に及ぶ独演会を開催すると知り、
「あれだな。どっかの日でちょっと落語やりに行けねーかな。おい、ちょっとスケジュール表持って来い」
と、“あくまで談春さんの独演会の前座として、可能ならば落語を披露したい”といった意向をはっきりと表明されたのです。
そして、マネージャーが持ってきた、恐ろしいほど真っ黒に塗りつぶされた、自身のスケジュール帳をまじまじと確認され、
「おい、この日の夕方からなら行けそうだな?」
と、1カ月の予定の中で、唯一空いていた1日を認めると、実にうれしそうに、
「ちょっと談春さんに電話してよ、落語やりに行っていいか聞いといてくれよ」
と、マネージャーに懇願されたのです。後日、談春さんから承諾をもらうや、
「じゃーちょっとその日に行ってよ。もしあれだったら落語やって、それで談春さんの落語をたっぷり聞いてくるか」
と、“自分で言い出しておきながら、落語を披露するかどうかは、当日までわからない”といったニュアンスを存分に含んだ言い回しで、その日の話を切り上げたのでした。
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◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!
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