芸能
Posted on 2017年05月07日 17:57

忘れがたき「昭和のいい女」を一斉追跡!<直撃3・弘田三枝子(人形の家)>

2017年05月07日 17:57

 和製ポップスの女王であり、デビュー時は「日本女性歌手史上最高の歌唱力」と評された弘田三枝子(70)。今なお、若いファンを獲得しているのは驚異的だ。

 デビュー後しばらくは「ヴァケーション」や「砂に消えた涙」など洋楽カバーが多かったですが、歌っていていかがでしたか?

 いちばん好きなジャンルがポップスだったので、どうやったら日本語に乗せて、原曲以上のものにできるか?と考えていました。

 東芝のディレクターだった草野浩二さんが自由にやらせてくれたので、ここでシンコペーションを入れようとか、ハネてみようとか、パンチを利かそうとか、ポップスを日本語で歌う挑戦がものすごく楽しかったです。

 CMでも「アスパラで生き抜こう」(62年)や「ワンサカ娘’64」(64年)など、耳になじみのある曲がたくさんあります。

 いずみたくさんがCMソング担当で、よく私を起用してくれました。弘田三枝子の声を使って、どう表現したらその商品が売れるか考えましたね。

 もう50年以上前なのに、今でもレナウンやアスパラのCMソングを覚えてくださってる方がいらっしゃるなんてビックリです。

 そして69年に大ヒットした「人形の家」は代表作ですが、この歌の誕生秘話を教えてください。

 21歳の時です。レコーディングの時、開口一番、作詞のなかにし礼さんが「ミコはこれで女を上げるぞ」とおっしゃった。最初は何のことかポカンと聞いていました‥‥。

 移籍したコロムビアのディレクター・鈴木亮一さんが熱心で、レコーディングの前に、作曲した川口真さんのご自宅で何度も朝から晩まで稽古したのを覚えてます。

 それまで、こんな楽曲を歌ったことがなかったですし、難しい詩をどうやって表現したらいいか悩みました。片想いばかりの自分の気持ちを想像しながら必死に歌ったような気がします。

 最初は放送局にテスト盤を持って行っても「こんな暗い歌、売れないよ」と言われましたが、その年のレコード大賞歌唱賞をいただいて私の人生を大きく変えてくれた1曲になりました。

 近年は新宿二丁目など若者文化の最先端でも歌っていますが、ステージに立っていかがでしたか?

 雨の日にもかかわらず、超満員のお客様で、お帰りになった方も多くいらしたとか。私のステージの前に、ドラァグクイーンの方々が私の歌に合わせて華やかなファッションでパフォーマンスしてくれたので、私も思い切り派手なスパンコールのドレスを着ました。興奮しましたね!

 ステージに出る前から歓喜のエネルギーで、幕が開いた瞬間、ワーッと言ってくださって。私のことを知らない若い世代の方たちが「人形の家」を大合唱してくれた時は、涙が出そうなくらい感動しました。これからも私の歌を歌い継いでいってほしいですね。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月22日 20:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月17日 20:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月24日 20:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/6/24発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク