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記事全文を読む→80代からが人生の黄金期だ「八名信夫」(2)12歳の少年との出会いで…
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八名がこの作品を撮るきっかけは、東日本大震災翌年の福島県南相馬市訪問だった。「悪役商会」の若手を連れ、無料のショーで滑稽な立ち回りや芝居を披露。被災者を爆笑させた。
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そこで、12歳くらいの少年と出会いました。住まいを津波で失い、祖母と妹は行方不明とのことでした。
その彼から「でも、ふるさとがあります。帰れたら、役に立つ大人になりたい」という言葉を聞かされた時、自分も何か役に立ちたいという思いに強く駆られました。
常々考えていたことなのですが、俳優というのは本当の意味で何かを残すことはできないんですよ。高倉健さんのように多くの主演を務めた人でも、亡くなったあとに残るのは名前だけです。それに比べ、監督には作品が残る。そんな気持ちもあり、映画を撮って応援しようと思い立ったんです。
被災地の人たちにとって、復興への道のりは他地域の人間が考える以上に長い。だからこそ、人への思いやりのようなものや家族の絆、望郷の念を描いた映画があってもいいんじゃないかとの思いもありました。
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舞台には、旅番組で訪れた富山県の五箇山を選んだ。合掌造りの集落で釜飯屋を営む元刑事が、生き別れになった孫娘を捜す物語。八名は監督だけでなく、脚本・編集も担当。製作費は自分の蓄えを取り崩して賄ったというから、スケジュールの延びが気になったのも当然かもしれない。
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エンディングは、私の演じる元刑事が孫娘の帰郷を喜び、吹雪の中で地元の古謡・こきりこ節を踊るシーンです。初めはそのまま息絶える予定だったのですが、悪役で1200回以上も殺されてきたのだからと思って、死なない設定に変えました(笑)。
八名信夫:1935年、岡山市生まれ。明治大野球部から東映フライヤーズに入団。現役を引退後、東映に入社。悪役中心の役者として脚光を浴びる。83年に俳優仲間と「悪役商会」を結成。現在に至る。
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