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記事全文を読む→孫正義 長者日本一への⑦決断 「ドコモに勝つには『物語性』『ナゼ?』がほしい」(1)
大ヒット「犬が父親」CM誕生までの汗と偶然!
携帯電話業界での成功の裏には、通信業界の雄・NTTドコモに負けない斬新なCMで攻めるという「決断」があった。今や好感度NO1の「ホワイト家族」シリーズ。その「汗」と「偶然」の誕生秘話は、とぼけた味のCMの印象と対照的に、何ともスリリングで─。
動物愛護団体を気にして×
ソフトバンク新プランのために、クリエイティブエージェンシー「シンガタ」を経営するクリエイティブディレクターの佐々木宏は、提案した。
「実は、おれ、昔から、『犬マーケティング』というのを考えているんだよな。世の中の動物好きで一番多いのは、何だと思う。犬なんだよ。猫より犬。だいたい、六割は犬好きと言われている。ここを押さえた広告宣伝をすると、自然と支持が集まるはずだ」
オフィスに犬型のベンチを置くほどの犬好きな佐々木の提案であった。
犬が出ているだけで見る視聴者はかなりいる。ある意味、SMAP、嵐といったジャニーズのアイドルファンと同じで相当の組織票がある。
「犬好きという人はみなソフトバンク、というのはひとつのマーケティングです」
ソフトバンクの孫正義社長も犬好きで、それには同意した。
さまざまな犬たちを撮影して、台詞をアテレコで声優に吹き込んでもらった。
2007年1月にサービスが始まった「ホワイトプラン」、同年3月から始まった「Wホワイト」の2つの料金プランのCMで、犬を撮影したシーンを使ってみたところ、そこそこの成功を収めた。CMの好感度ランキングでベストテンに入り、ソフトバンク内でも評判はよかった。
しかし、撮り貯めしている犬に台詞をかぶせるだけでは、どうしても訴える力が弱くなってしまう。「犬マーケティングは一定の成功は収めたわけだし、犬を使ってパワーアップしたCMで支持率を獲得したほうがいいのではないか」
そのような声が上がった。
その1つに、犬の首に携帯電話をぶら下げた映像を撮って「犬でも買えるほど安い」と強調しようかとの案も出た。
しかし、「今度は、動物愛護団体から何か言われたらかなわない」とあえてボツにした。こちらに他意はなくとも、二度も三度も同じようなことが続けば、ブランドに傷がつく。ナーバスにならざるを得ない判断も、数々あった。
ただ、犬が出ているだけのCMは華やかさに欠ける。
〈一方でハリウッドスターのCMを作って、こっちは何で犬なんだ〉
佐々木は、内心しょげていた。
そんな折、孫が佐々木らに、再び新たなサービスプランを始めると発表した。「ホワイト家族24」。ホワイトプラン用の家族割引で、家族のソフトバンク携帯電話への通話が24時間無料となる。07年6月請求分から、家族割引加入者に自動的に適用される。もともと家族割引は他社にもあったが、家族間はすべて無料というサービスプランはなかった。
佐々木らに時間と予算はなかった。これまでと同じ犬シリーズを継承し、犬の家族という設定にすることから検討が始まった。
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