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記事全文を読む→ビートたけしの金言集「軍団を連れ歩き楽しくて仕方なかった」
以前、「殿は30代後半で、たけし軍団を作って、周りにたくさんの弟子ができたじゃないですか。それって大変じゃなかったんですか?」と、素朴な疑問をぶつけてみると、
「全然大変じゃなかったな。毎日野球はできるし、夜は軍団連れて飲み行ってバカなことやってたしよ。もう楽しくて仕方なかったけどな」
と、アラフォーで親分となった殿は、100点満点な答えで振り返ったのです。
そんな“楽しくて仕方なかった頃”、テレビの中で殿に随時ツッコまれていた軍団さんは、弟子入り前のわたくしにとって、はっきりと嫉妬の対象であり、弟子になった今でも、主にリアクションを求められる現場での、殿と軍団さんの濃密なやり取りを体感するにつけ、やはり嫉妬を抱いてしまいます。
長い年月で培ってきた、殿&軍団さんとのやり取りは、とにかくフォーメーションが完成していて、おいそれと若手が入り込めない、まったく隙のない空間です。そんな現場の中でも、“殿&軍団、そこまでやるか!”と、おののいたシーンがありました。
10年以上前の特番で、殿が軽トラで登場し、軍団の面々がその軽トラにはねられそうになる、といった、今なら絶対にアウトな企画でした。殿が、こういった時に変貌する、“無表情で肝の据わった目”となり、猛スピードで突っ込んでくると、皆、一目散に逃げ回ったのですが、ラッシャー板前さんだけは悠然と立ち向かい、“殿、来てください”とアイコンタクトで意志を示されたのです。果敢に立ち向かうラッシャーさんに、殿は何度もタイヤで足を踏んづける行為を繰り返しながら、逃げ場のない壁際に追い込むと、“おい、次は本当にひくぞ!”といった顔つきで、いったん車を停めアクセルを空吹かし。その距離、約30センチ。すると、ラッシャーさんの目は“殿、もっと来てください!”と明らかに訴え、殿も“よしわかった!”とばかりに目でうなずくと、ちゅうちょなくアクセルを踏み込んだのです。その結果、軽トラのバンパーがラッシャーさんの胴体にがっちり食い込み、爆笑をかっさらい終了となったのです。もちろん、ケガのない程度の絶妙な食い込み具合であり、まさにプロの仕事だったのですが、あの時の、おふたりの目だけでのやりとりと、ギリギリまでやり切る妥協なき姿勢は、本当に凄まじいものがありました。殿はこの時のことを時折、
「またラッシャーが俺を誘うんだよ」
と、実にうれしそうに語るのです。ちなみに、かなり昔、ラッシャーさんが付き人をされていた頃、車での移動中、後部座席に座る殿は、助手席に座っていたラッシャーさんの後頭部を、特に理由もなくよく叩いたそうです。その理由が、
「違うんだよ。あいつの後頭部が俺を誘ってるんだよ」
でした。そんな後頭部をお持ちの兄さんに、わたくし、やはり嫉妬してしまうのです。
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◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!
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