芸能
Posted on 2014年08月07日 09:58

ピンク・レディー 「モンスター神話」の真実(6)再結成で全国が踊り熱狂した

2014年08月07日 09:58

20140807k

 70年代のトップアイドルは平均睡眠3時間が相場だったが、ピンクに至っては1時間程度とされた。3カ月に1枚のシングルに振付けのレッスンも入り、毎日の歌番組にCM、雑誌の撮影、そして週末には地方コンサートが待ち受ける。

 天馬は同じ事務所の後輩という形で地方コンサートにも出演させてもらった。

「空港からすぐに会場に移動。車の窓はカーテンでふさぎ、会場から一歩も出ないから太陽を浴びていないんです。時間の感覚も土地の感覚もまったくなかったと思います」

 それほど過酷な日程でありながら、あんなに激しい振付けを完全にマスターしていることに何度も驚かされた。そして79年に2人はアメリカ進出を果たし、逆にそのことで人気が急降下‥‥。天馬は、同じ事務所の一員として気持ちは理解できた。

「世界に通用するスターを育てたいというのが相馬さんの夢でしたから」

 飯田は、やはりレコード会社とプロダクションとの行き違いはあると思った。

「どこかですれ違ってしまうのは致し方ないこと。人気が下火になって、ピンクの路線を変えたらという声もありましたけど、僕は最後までピンクは『おもちゃ箱を引っくり返したような』と阿久さんが言ったイメージを貫きたかった」

 ピンクが解散まで1年と迫った80年3月、鹿取洋子はT&Cの最後の新人としてデビューする。松田聖子や田原俊彦と同じ「黄金の80年組」と呼ばれ、もはや歌謡界の主流がピンクでないことは明白だった。

 鹿取はそれでも、ピンクに憧れて事務所のオーディションを受け、甲斐よしひろが作詞作曲した4作目の「グッドナイト・ドール」では、振付けをミーに担当してもらっている。

「81年3月の後楽園球場での解散コンサートも見せてもらいました。こんなに素敵な人たちがどうして辞めちゃうんだろう‥‥と当時は思いましたね」

 3分の1しか埋まらなかった寂しい客入りで、それから半年後にT&Cは倒産。後期は失速したとはいえ、当時として破格のギャラだったCM(別表参照)や、2.5%のロイヤリティが入る文房具や食品の収入も莫大なはずだが──、

「36社から300種の商品が出ていたけど、すべての会社から回収できたかどうかは、あの時代だから徹底できなかった」

 語るのはT&Cの社長だった貫泰夫(ぬきやすお)である。貫は現在、ピンクとの5年間を電子書籍にまとめ、デビュー日と同じ8月25日の発売を控えている。

 どこか〈つわものどもが夢のあと〉となった感もあるピンクのモンスター神話だが、決して〈夏草〉ではないと飯田は言う。

「03年の再結成ツアーでは全国の会場が超満員になって、客席で皆さんが立ち上がって踊っている。ああいう熱気を見ていたら、すごい夢を見させてもらったんだなと実感しました」

 だからこそ現在もCMで使われているのだろう。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年01月14日 07:30

    昨年あたりから平成レトロブームを追い風に、空前の「シール」ブームが続いている。かつては子供向け文具の定番だったシールだが、今や「大人が本気で集めるコレクターズアイテム」として存在感を放つ。1980年代から90年代を思わせる配色やモチーフ、ぷ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月19日 07:30

    鉄道などの公共交通機関で通勤する人が、乗車の際に使っている定期券。きっぷを毎回買うよりは当然ながらお得になっているのだが、合法的にもっと安く購入する方法があるのをご存じだろうか。それが「分割定期券」だ。これはA駅からC駅の通勤区間の定期券を...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月22日 07:30

    今年も確定申告の季節がやってきた。「面倒だけど、去年と同じやり方で済ませればいい」と考える人は少なくないだろう。しかし、令和7年分(2025年分)の確定申告は、従来の感覚では対応しきれないものになっている。昨年からの税制の見直しにより、内容...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/1/27発売
    ■550円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク