政治

本性を全暴露「金正恩の愚かなる素顔」(1)「独断性と短気」が特徴

 喜色満面の笑顔で、朝鮮半島の非核化に言及した北朝鮮の首領・金正恩委員長。しかし、この破顔の裏には冷酷無比で愚かなる素顔が隠されているのをご存じか。北朝鮮国内では、常に側近への猜疑心にさいなまれ、思いつきの愚策の数々に意見すれば粛清が待ち受ける。世界が知らない本性に肉薄する──。

 未熟で経験のないまま最高指導者となったことから、絶えず北朝鮮の老幹部たちが自分をバカにしていないかと、意識しなければならない。これは金正恩(キムジョンウン)にとって大きなコンプレックスになっています。北朝鮮の恐怖政治と核脅威による外交は、金正恩の性格と未熟な資質に負うところが大きいのですが、その背景には、彼の抱えたこのコンプレックスがあるのです。

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 こう語るのは、長年にわたり北朝鮮の政治経済を分析、研究し続けてきたコリア国際研究所所長の朴斗鎮(パクトゥジン)氏だ。4月27日に板門店で行われた南北首脳会談で、文在寅(ムンジェイン)大統領と対面した金正恩は、喜色満面の笑顔で核の脅威をあおる独裁者のイメージを一掃。一部では、ノーベル平和賞候補との声すら上がっている。今後予定されているトランプ米大統領との米朝首脳会談で一気に非核化が実現するかのような論説も目立っている。だが、非核化への行動を小出しにしながら支援を引き出そうともくろむ北朝鮮と、それを牽制する米国。双方の立場の違いはいまだ埋まっておらず、会談の行方は流動的だ。金正恩とはいったい何者で、その独裁体制が首脳会談にどう影響するのか。近著『金正恩──恐怖と不条理の統治構造』(新潮社)で首領の実像を活写した朴氏の指摘は傾聴に値する。

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 金正恩と北朝鮮を知るうえで、幼少期の家庭環境は大きなヒントになります。金正恩と兄・正哲(ジョンチョル)は小学校に通う年齢まで、父・金正日の官邸内で専属の家庭教師に勉強を教わっていました。したがって彼らには、学校での友達というものがいませんでした。遊ぶ時はいつも兄弟一緒で、それに叔母の高ヨンスク(編集部注:金正恩の母・ヨンヒの妹。日本ではヨンを「英」や「容」で表記することが多いが、朴氏によると正式な朝鮮語表記に該当する漢字はわかっていないという。したがって「ヨンスク」「ヨンヒ」と表記)の長男が加わることも多かったといいます。

 金正恩が北朝鮮の小学校に通ったという記録はどこにもありません。北朝鮮が明らかにした経歴にも小学校は記されていません。それもそのはずで、このあとまもなく、彼はスイスに留学します。スイス警察の公式文書によると、入国は1991年11月。その後2001年まで、金正恩は「パク・ウン」という名前でスイスに滞在することになります。

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 米国に亡命した高ヨンスクは金正恩の性格に対して「問題児ではなかったが、気が短く忍耐心がなかった。母の高ヨンヒが遊んでばかりいないで勉強しなさいと叱ると、御飯を食べなかった」と語っている。

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 金正恩は幼い頃から負けず嫌いであったといいます。兄の正哲とそれぞれチームを作ってバスケットボールの試合をする時も、自チームのメンバーの失敗を許さず、勝利のために厳しい訓練をしたそうです。メンバーを励ます正哲とは対照的です。ボール遊びをしていて怒りを抑えられず、兄の顔にボールを投げつけたこともあったといいます。

 対北朝鮮関係の諜報活動を主任務とする韓国国家情報院も、2015年7月に国会の情報委員会で金正恩の特徴について「独断性と短気が指摘され、現状を十分に認識していない」との見方を示しています。

 例えば2012年、金日成誕生100周年記念行事での最初の演説で、金正恩は食糧の増産を公約しました。しかしその後、「緑化政策」と称して街に緑を増やせと指示。食糧増産よりも遊園地と芝生造りに熱中しました。

 国民の貴重な食糧供給地となっている自宅の庭の畑にまで芝生を敷くよう強要したり、平壌の空き地を芝生で埋めよと指示。その管理のために住民を朝の5時から動員するのですから、わけがわかりません。この政策に意見を述べた崔英健(チェヨンゴン)副首相は処刑されました。

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