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言わずもがなだが、台湾有事が勃発すれば、日本にとって対岸の火事で済まされない。
「人民解放軍が台湾を侵攻するには、約200キロある台湾海峡を横断して、台湾に上陸しなければならない。一方で台湾側もそれを阻止するために待ち構えていますから、正面突破することは困難です。そのために尖閣などの日本の南西諸島を通過して、侵攻することが想定され、そうなると、自衛隊との武力衝突は避けられません」(西村氏)
戦局が長引けば長引くほど、深刻な被害が日本国内にも拡大、発生することが想定される。国際ジャーナリストの山田敏弘氏は、具体的なシミュレーションについて言及する。
「当然、最前線の拠点となる沖縄の米軍基地にミサイルが飛んでくる可能性がある。さらにはサイバー攻撃により、飛行機、新幹線などの交通、金融システムが壊滅状態となり、日本経済がストップすることも。中国が『国防動員法』を発動し、日本に在留する中国人が各地で破壊活動を始めることも想定されます。すでにチャイナタウン化している東京・池袋北口周辺や埼玉県川口市などでは、放火や略奪が繰り広げられ、阿鼻叫喚の地獄絵図となるかもしれません‥‥」
台湾有事ばかりか、そもそも「日本有事」を意識する必要もあるのだ。佐藤氏が警告する。
「今回は中国の空母が2隻から3隻体制に増えたため、少なくとも1隻は東シナ海か南シナ海、太平洋に入れるという状態が作れるようになった。たまたま体制が整ったところに高市発言をきっかけとして、日本近海で空母の離発着訓練を含めた空母打撃群の運用が常態化する可能性が出てきました。今回の空母の動きを見ると、完璧に『対台湾』ではなく『対日本』です。わざと宮古島と沖縄本島の間を抜けて、普通はもっと南に行くのですが、そこから北東に奄美のほう、喜界島のほうに行っています。沖縄本島と奄美、これを囲むような動きで、台湾が目標であれば、南下するはずですからね。台湾を叩くためであれば、中距離ミサイルを山ほど持っている必要はない。当然、日本、ハワイ、そしてグアムを叩くためのものです」
もちろん、より大義名分がある台湾ではなく日本への武力行使を優先することは現実的ではないと思いたい。
とはいえ、日本が対応を誤ることだけは避けなければならない─。
「今回のレーダー照射について、ポイントは2つあったと思います。1つは日本がどういう対応を取るのか、2つ目は米国がどう反応するのか。仮に米国が強く反応しなければ、まだレッドラインではないということになります。今回、中国が日本の戦闘機にロックオンしても、台湾問題についての米国のレッドラインは越えていないということがわかってしまったのです。トランプは来年の中間選挙もあり、中国と通商問題で揉め事を起こしたくない。結局、高市発言に端を発した日中関係の緊張状態、今回の軍事的な威圧についても、今のところはだんまりです。これは本当に危ないこと。米国がレッドラインでないということは、おそらく中国は何回やっても許されると、レッドラインがどこなのか探ってくるでしょう」(佐藤氏)
つまり、いかに米国を巻き込むかが「対中国」の鍵となる。
「高市政権が早急にやらないといけないのは、日米の意思のすり合わせ。できれば首脳会談、電話会談をやったほうがいいでしょう。トランプが動かない以上は、日本から働きかけなければいけません」(佐藤氏)
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