スポーツ
Posted on 2018年07月16日 09:58

「夏の甲子園」98年第80回大会の青森県予選で起きた122‐0の珍記録!

2018年07月16日 09:58

 高校野球の県予選は、本大会の甲子園と違って大量得点差がついた場合、コールドゲームの規定が適用される。5回終了で10点差、7回終了で7点差などがあるが、県によってその規定は様々である。だが、コールドゲーム規定がなかったために、かつてある県の夏の予選でとんでもない事件が起きてしまった。

 98年第80回大会。あの松坂大輔(中日)が横浜(神奈川)のエースとして劇的な春夏連覇を成し遂げた年だ。青森県大会2回戦(初戦)で東奥義塾と対戦した深浦(現・木造深浦)が、その主人公である。実はこの時の深浦ナインには正式な野球部員が10人しかおらず、しかも4人しか野球経験者がいなかった。そんな素人集団に、それまでに夏4回の甲子園出場経験を持つ県内きっての古豪が襲いかかったのだ。

 先攻の東奥義塾は初回に何と延べ42人が打席に立ち、27安打で39点を挙げたのである。この間の攻撃時間は57分。さらに2回に10点、3回に11点、4回に17点、そして5回に16点。5回終了時のスコアは実に93‐0。

 本来ならばコールドとなるが、この年の青森大会では5、6回でのコールド制がなかった。続行の有無は選手たちの判断に委ねられていたのである。当然、深浦の工藤慶憲監督はその意思を確認すると佐藤投手は「続けたいです」。角谷宗一主将も「観客が応援してくれている。やろう」。

 対する東奥義塾の小野智嗣主将も「気を抜くのは失礼だと思った」。こうして試合は7回まで続行され、夏の大会では全国&地方大会を通じて初めて100点差以上の大台に乗る122‐0という史上空前のスコアが生まれたのである。

 結果、7回コールドで勝った東奥義塾の打者成績は打者149人で7本塁打を含む86安打。四死球36、盗塁76、三振1。4番打者の珍田威臣は16打数14安打12打点。11打席連続安打にサイクルヒットを2回記録した。負けた深浦は打者25人がノーヒット。三振も16を数えた。試合時間は3時間47分。一塁側の深浦サイドに応援団の姿はなかったが、それでもスタンドの観戦者からは惜しみない拍手が送られたのだった。

 ちなみにこの試合に勝利した東奥義塾も次の試合で、初戦を1点差で勝ってきたチーム・田名部に2‐14でコールド負けを喫している。

(高校野球評論家・上杉純也)=敬称略=

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    芸能
    2013年11月26日 10:00

    11月8日、歌手・島倉千代子(享年75)が肝臓ガンで死去した。島倉といえば、演歌の王道を歩むように、その生き様は苦労の連続だった。中でも、莫大な借金返済で味わった地獄は理不尽極まりなかったようで──。島倉は、男を信じて手形の保証人となったせ...

    記事全文を読む→
    スポーツ
    2026年05月07日 07:00

    メジャーリーグの3月・4月の月間MVPにはドジャースの大谷翔平が選ばれ、投手部門での初受賞となった。5試合に先発登板して2勝1敗、防御率0.60の好成績からして、文句ナシの選出だったことは想像に難くない。しかし日本球界では、セ・リーグの3月...

    記事全文を読む→
    スポーツ
    2026年05月07日 11:30

    借金13、単独最下位。4月の時点で早くも重苦しい空気に包まれていた中日が、苦境打破の願掛けとして持ち出したのが、古来の験担ぎである「盛り塩」だった。それがわずか10日で、税込650円のおにぎりに化けた。バンテリンドームナゴヤで5月4日から発...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/4/28発売
    ■680円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク