スポーツ

社台王国の野望、重賞馬を輩出するクラブ法人

「社台レースホース」と「サンデーレーシング」は、社台を支える一大事業となっている、クラブ法人であり、あまたあるこれらクラブ法人こそが、現在の日本の競馬を支えていると言っていい。その中でも、社台レースホースとサンデーレーシングの2つは、他のクラブを合併、傘下に収めてしまうほど、揺るぎない存在に成長した。

 現在の社台のクラブ法人をあげてみると、次のようになる(カッコ内は12月8日現在の重賞勝利数)。

●社台ファーム系(代表・照哉氏)社台レースホース(7勝)/グリーンファーム

●ノーザンファーム系(代表・勝己氏)サンデーレーシング(18勝・うちGⅠ6勝)/キャロットファーム(6勝)/シルク(3勝・うちGⅠ1勝)

●追分ファーム系(代表・晴哉氏)G1レーシングクラブ(1勝)/セゾンレースホース(1勝)

 こうしてみると、社台グループ内(吉田三兄弟)でも、次男・勝己氏率いるノーザンファーム系が、現在は圧倒的に勢いがあるようだ。

 ちなみに、先だって阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)を勝利したローブティサージュ(馬主・シルク)も、ノーザンファーム系である。

 しかし、GⅠ馬がクラブ馬だったことから、このところ、それに対する反発が個人馬主から起こっている。

「自分のところのクラブ馬ばかり勝って、セレクトや庭先ではGⅠ馬を売らないのか!」

 では、いったい、社台グループの最終目標とは何なのか。答えは簡単ではないようだ。まだ勝っていない海外の大レース、凱旋門賞やブリーダーズカップを勝つこと、と言ってしまえばそれまでのようだが、コトはそう単純ではない。

 社台の内情をよく知るクラブ会員が言う。

「勝己氏がよく言うのは、『この仕事には終わりがないうえに、一つ外れればガタガタになってしまう』。傑出した名馬を1頭出せばそれでいいというわけにはいかない、ということです。サンデーの血が偏ってきたことにどう対処していけばいいのか。次に導入する種牡馬は何にするか。先代の善哉氏同様、日夜、馬のことばかり考えているといいます。

 また、運も大事だと言っています。サンデーサイレンスが手に入ったのも、ちょうど湾岸戦争があって中東情勢が不安になり、アラブの国が手控えていたからだった、と」

 そして何より、いかにお客さんを集めて、いかに配当を出すかが大事な使命。だから「商売にこだわらない社台なんておもしろくもない」という声が上がるのもうなずけるのだ。

カテゴリー: スポーツ   タグ: ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
4
「これは…何をやってるんですかね」解説者がア然となった「9回二死満塁で投手前バント」中日選手の「超奇策」
5
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き