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伝説のプロ野球バカ本がヤバすぎる(2)堀内恒夫は裏金を暴露

 暴露はシモの話だけにとどまらない。堀内恒夫(70)は巨人で投手コーチに就任した直後に出した自伝「オレは悪太郎」(ベースボール・マガジン社・84年)で、ヤバすぎる「裏金告白」まで行っている。

〈契約金は1800万円だった。そして、いまだから書けるが、オヤジはその他に500万円を球団からもらっている〉

 堀内入団の66年当時は、大卒初任給が約2万5000円。今の貨幣価値に換算すると4000万~5000万円くらいだろうか。さすが悪太郎、怖いものなしだ。

「とにかくノーガード。別にしなくていい話を載せているのが、レジェンドバカ本の醍醐味です。今となっては、法やモラルに抵触するエピソードだらけですよ」(長谷川氏)

 例えば2000年刊のデーブ大久保(51)の「一発逆転」(新潮社)には、デーブが晴れて指名を勝ち取ったドラフト当日のこんなエピソードが記述されている。

〈「疲れたよな。長い一日だった‥‥」気取った顔で祝い酒をグイと飲み、煙草に火をつけた〉

 ひと言付け加えると、デーブは、高卒プロ野球選手である。まあ、これくらいはかわいいもの。板東英二(78)がすでにタレント活動していた86年の著書「板東英二の金はこうして儲けるんや」(主婦と生活社)などはもっとひどい。なにせ、第3章の見出しが〈社長になって“脱税”せえへんか〉である。板東のサイドビジネス好きや銭ゲバっぷりは有名だが、12年末には脱税騒動から芸能活動自粛の憂き目にあっているだけに、味わい深さは相当なものだ。

 同僚へのバッシングから明かされる、チーム内の関係性や秘密の暴露という点でも、「バカ本」は注目に値するメディアである。「陽気なガイジン」のイメージで人気を誇ったウォーレン・クロマティ(65)は、引退後の91年に出した「さらばサムライ野球」(講談社、R・ホワイティングとの共著)で、現巨人監督の原辰徳氏を辛辣に批判しているのだ。

〈何より原の態度が気に入らない。たいした選手でもないくせに〉

〈ウエイト・トレーニングでもやればずっとパワーが増すのに、ひたすらコーチの言うなりで、しょっちゅう鏡ばかり見ている〉

 ただ、結局のところ、酷評の最大の理由が、

〈一番不愉快なのは、俺より人気があることだ〉

 とオトコの嫉妬だったことはご愛敬か。

「衝撃の告白、という点では、西本聖(62)の『さらば巨人軍』(アイペック・89年)も見逃せません。14年間在籍した巨人から中日に移籍したその年、しかもシーズン開幕直後に出版された本で、古巣の巨人を北朝鮮に、自身を脱北者にたとえて、当時のコーチも実名で批判するスゴい内容なんです」(長谷川氏)

 西本が本書の冒頭から〈拝啓、巨人軍様〉と書き出した一文がこれだ。

〈ぼくの心はウソのように晴れわたっています。誤解を覚悟で言えば、赤い国から抜け出た人間が母国を振り返った時、きっとこんな思いを抱くのではないか〉

 西本本人にしてみれば、巨人在籍時によほどきつく統制され、言いたいことも言えない環境に置かれていたと訴えたいのだろう。本編でもコーチやライバル・江川卓との確執、移籍に至る全経緯を事細かに記している。追い出された者の執念を感じる一冊である。

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