政治

安倍論文(3)「ダイヤモンドVS真珠」対決

 壮大とも言える「日米印豪同盟」。なるほど、この4地域を線で結ぶと、巨大なダイヤモンドの形となる。しかし、なぜハワイまで入ってくるのか。外交ジャーナリストによれば、

「数年前に中国の政府高官がアメリカの閣僚に『将来的に太平洋を半分ずつ分け合いましょう』と持ちかけたことがあるからです。ハワイを境にして太平洋を東西に分割し、西側を中国が支配したいとの野望を持っているということですよ」

 何ともずうずうしいもくろみ。これも封じておく必要があるのだ。

 安倍総理と親交があり、中国問題に詳しい評論家・西村幸祐氏は、ダイヤモンド構想についてこう話す。

「総理は組閣前からすでにこの構想を練り、見通しを立てていました。(1月末に開幕する)国会の施政方針演説に、こうした内容が登場すると思われます」

 前出・外交ジャーナリストは言う。

「中国の作戦は、フィリピンからマラッカ海峡を通ってインドに至るまで海上の島々を点々と押さえて拠点を作っていき、真珠の首飾りのような形にして支配するというもの。安倍ダイヤモンドVS真珠の戦いです」

 中国がもくろむ真珠作戦は、実は06年に麻生副総理が外相時代に講演した「自由と繁栄の弧を作る」という演説とも真っ向から対立する。日本から南下してベトナム、カンボジア、インドネシアを通ってインド、中東、さらにはトルコ、東欧、バルト諸国へとつなぐ経済協力の「弧」を描くという外交だ。これはまさしく東シナ海からインド洋にかけての中国包囲網と合致し、中国の真珠とも重なっているからだ。

 さて、安倍総理の構想はさらに具体性、過激性を増していく。再び論文を追っていこう。

〈私はまた、アジアのセキュリティを強化するための関係を築くべく、イギリスとフランスを同じステージに誘いたい。海洋民主主義国家・日本の、世界における役割は、彼らの新たな存在によって、いっそう楽になる。イギリスは依然として、マレーシア、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドとの5カ国防衛取り決めに価値を見いだしている。日本をこのグループに参加させて毎年このメンバーと話し合いを持ち、小規模軍事演習にも加わりたい。タヒチのフランス太平洋海軍は、きわめて少ない予算で展開しているが、やがてその重要性を増してくるだろう〉

 これは将来的な「実力行使」を見据えた実戦的訓練と言っていいようだ。

カテゴリー: 政治   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身