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記事全文を読む→秋津壽男“どっち?”の健康学「鼻血の原因は外傷性と大病とどっちが多い?止めるには顔を上げるのではなく下げるべし」
風邪が全国的に蔓延しています。今年の風邪は鼻水が出やすく、鼻をかみすぎて鼻血が出た人もいると思います。ではここで質問です。鼻血の原因は外傷性と大病、どちらが多いでしょうか。
鼻血とは、鼻の奥にある血脈部分=キーゼルバッハ部位の細い血管が切れての出血です。キーゼルバッハは弱い粘膜であるうえ、多くの毛細血管が密集するため、鼻を強くかんだり、鼻の中をほじりすぎると、すぐに鼻血が出ます。他にも寝ている間に鼻が乾燥してひび割れのようにささくれたり、鼻の奥にたまった鼻くそを剥がした際に血管を傷つけるケースもあります。子供が鼻の奥に物を入れて粘膜がただれて鼻血になるケースもありますので、小さなお子さんがいる方は、ボタン型アルカリ電池のように、鼻の穴に入るものを子供の手の届くところに置かないようにしてください。
鼻血の多くは、このキーゼルバッハが切れての出血であり、血が止まりにくい動脈性出血なのが特徴です。ちなみに動脈からの鼻血は鮮やかな赤色で、静脈からの鼻血は黒みがかった赤色で、動脈性よりは止まりやすくなります。
鼻血が出た場合、まずは鼻血が喉に流れないよう、顔をやや下に向けてください。シャツや床に血が垂れぬよう上を向く人も多いですが、上を向くと血液を飲み込むことで嘔吐や吐き気を感じることがあります。さらに、上を向きすぎると出血が止まらず、あくびが出る場合もあります。この症状は多量の出血で脳が血液不足になっている可能性があり、早急の処置が必要となります。
その後、小鼻をつまんで10分ほど圧迫するか、冷たいタオルを5~10分ほど鼻に当ててください。すると血管が冷やされて収縮するので止まりやすくなります。ティッシュを鼻に詰める人も多いですが、血管を傷つけることもあるので、冷たいタオルで冷やすのが最も効果的です。他にはワセリンなどを塗ったガーゼを鼻の中に入れて出血部位を圧迫するのも止血方法の一つです。
ほとんどの鼻血はこれで止まります。しかし、体質的に止まりにくい、すぐに止まらない場合は耳鼻科で鼻の中の出血部位を焼いてもらってください。なぜなら鼻の奥の血管はなくても差し支えない動脈であり、鼻血が出て止まらないくらいならレーザーで焼いて止血することをお勧めします。
鼻血は大きな病気に結びつくケースはほとんどなく、多くは外傷性です。マンガなどで、女性の裸を見て鼻血が出る描写もありますが、急な興奮による鼻血など、まずありません。ただ鼻の粘膜が弱いだけでしょう。また、いわゆる高血圧と鼻血の医学的な根拠もはっきりしておらず、大病の可能性はほとんどないと言えます。
ただし、例外として白血病により歯茎や鼻からサラサラの血が出るケースや、抗凝固剤や抗血小板薬など血をサラサラにする薬を処方されている場合があります。これらは薬の副作用として出るわけで一日中、止まらなくなりますが、これ以外で大病が隠れている可能性はごくわずかです。1時間以上止血しても止まらなかったり、痛みを感じたり、出血量が多かったり、鼻以外からも出血するような場合は早めに受診してください。
■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。
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