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記事全文を読む→ビートたけしの名言集「本番までの待ち時間に施す便所の落書き」
今回は少し趣向を変えて、楽屋に入ってから本番を迎えるまでの“ビートたけし的仕事の流れ”について書かせてください。
番組によってさまざまですが、おおむね収録が始まる1時間半程前に楽屋へ入ります。基本、殿は時間厳守な方で、遅刻することはまったくありません。
ちなみに「家にお化けが出た」といった、理由にならない理由で収録現場に来なかったことは過去、何度かありましたが‥‥。話を仕事の流れに戻しましょう。
楽屋に入った殿はまず、電気カミソリでヒゲを剃ります。そして、剃り終わると同時に付き人からおしぼりを受けとり、ゴシゴシと顔を拭きます。おしぼりを受け取る時は付き人に、「おう、サンキュー」と、礼を述べたりいたします。
で、その後はイスに座ると、その日の進行台本や番組の資料をじっくりと時間をかけて読み出します。
それらの作業を終えると、殿は決まって、
「北郷、何か変わったことはあったか?」
と、聞いてきます。殿の言う「変わったこと」とは、世間で起きているニュースの他に“たけし軍団周りの何かしらのくだらないニュース”も含んでいます。ですから、「殿、そういえば○○さんがライブですべりました」「殿、○○さんがツイッターで○○ともめてます」等々、少しばかり笑えそうな、やや意地の悪い、ミニマムな軍団ニュースをしっかりと報告いたします。中でも殿は「誰誰がすべった」的な話が大好きです。
また話を楽屋へ戻します。本番を待つ間、楽屋内での話題といえば、「本日のメジャーリーグの結果」「最近の格闘技の感想(主にボクシング)」「次回の北野映画の話」「殿が今書いている小説のあらすじ」あたりが定番です。
つい先日も、
「次の映画の○○の役よ、○○○さんでやろうかと思って」
と、サラッと教えてくれたりしました。で、ここ最近、殿が本番までの待ち時間にハマッている遊びが“便所の落書き”です。
説明します。楽屋を出て、少し離れたトイレに向かう途中、廊下の壁に〈『○○○』出演者の皆様。トイレはこちら⇒です〉と、初めて番組に呼ばれた出演者のために、丁寧な貼り紙が貼ってあることがあります。
殿はその貼り紙を見つけると、「おい。マジック持ってこい」と指示を出し、届いたマジックを手に取ると、その貼り紙に、〈うんこはこちら⇒〉〈小便はこちら⇒〉〈オ○ニーはこちら⇒〉と、最低の落書きを施し、「このくらいでいいだろ!」と、満足そうにつぶやいては、トイレへ向かいます。そして、楽屋へ戻って衣装に着替えたら、本番へとなだれこむのです。
最後に、殿の“便所落書き”を目撃したテレビ局のスタッフさんは「また、たけしさんか‥‥」と、あきらめに似たひと言を漏らしながら、かなり苦い顔で、貼り紙を片付けていたことが二度、三度あったことをここにご報告させていただきます。
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◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!
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