スポーツ
Posted on 2011年10月05日 11:59

集中連載ダルビッシュとマー君「異次元快投」の真相(2)超頭脳派で本格派の投手

2011年10月05日 11:59

 翌日、ダルビッシュは中4日のマウンドに上がった。高校時代を仙台で過ごしたこともあり、第二の故郷に勇気を与えたいと、特別な思いで試合に望んでいた。Kスタでは今季3度目のマウンド。昨年までは「スタンドの赤いのが苦手」と語っていたが、今季負けがない。ところが、7回を投げ終え1─0でリードしている場面で、梨田昌孝監督は交代を告げた。
 結局、次の回で後続が打たれて、ダルビッシュの17勝目は消えた。試合後のロッカーでダルビッシュは荒れた。後続が打たれたことよりも、100球そこそこで替えられたことへの悔しさに見えた。そんなヤワな投手ではないと言いたかったのかもしれないし、そう見えた自分に対するふがいなさだったのかもしれない。
 開幕当初から「1人だけ次元が違う投手」という評価がされていた。他チームのスコアラーたちも「ダルビッシュから1点を取ることさえ大変」と頭を抱えるばかりだった。開幕戦こそ3失点で負け投手になったものの、その後は8連勝と向かうところ敵なし。圧巻は5月10日の楽天戦から続いていた連続イニング無失点で、記録はパ・リーグ2位(歴代では11位)の46イニングで止まり、パ・リーグ新記録となる4試合連続完封勝利も逃したが、その原因が暴投というのが、いかにもダルビッシュらしかった。
「低めに投げるとバッターに合わせられそうで嫌だった。空振りの取れるゾーンから、もうひと伸びしてしまった」
 と本人は語ったが、同時に、ボール自体に違和感を感じてもいたようだ。翌日の新聞で白井球審は、このように述懐していた。
「ボールが滑るので、もっとボールを土でこねてほしいとダルビッシュに言われたが、試合前にもうやっているのでできないと答えた。しっくりこなかったのだろう」
 つまり、しっくりきてさえいれば、無失点記録はさらに続いていた可能性が高い。逆に言えば、それだけ敏感な指先を持っているから、今の成績を残せるのであろう。繊細な指先のフィーリングによって、いろいろな球種を投げ分けているからだ。
 とはいえ、本人は「記録はまったく気にしていない」とどこ吹く風。日ハム・吉井理人投手コーチも「そのあとに、あとを引かないのが今年のダルビッシュの成長」と認めるように、その後も順調に勝ち星を伸ばしている。開幕戦以外は自責点3点以上取られたことがないのだから、お手上げである。
「速い球で攻めるだけではないから的がしぼれない。彼の頭の中を割って見てみたい。超頭脳派の本格派投手とでも言うのでしょうか」
 オリックスの依田栄二スコアラーも舌を巻くのだ。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年01月14日 07:30

    昨年あたりから平成レトロブームを追い風に、空前の「シール」ブームが続いている。かつては子供向け文具の定番だったシールだが、今や「大人が本気で集めるコレクターズアイテム」として存在感を放つ。1980年代から90年代を思わせる配色やモチーフ、ぷ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月19日 07:30

    鉄道などの公共交通機関で通勤する人が、乗車の際に使っている定期券。きっぷを毎回買うよりは当然ながらお得になっているのだが、合法的にもっと安く購入する方法があるのをご存じだろうか。それが「分割定期券」だ。これはA駅からC駅の通勤区間の定期券を...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月22日 07:30

    今年も確定申告の季節がやってきた。「面倒だけど、去年と同じやり方で済ませればいい」と考える人は少なくないだろう。しかし、令和7年分(2025年分)の確定申告は、従来の感覚では対応しきれないものになっている。昨年からの税制の見直しにより、内容...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/1/27発売
    ■550円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク