スポーツ

集中連載ダルビッシュとマー君「異次元快投」の真相(4)太腿が5センチ太くなった

 田中が沢村賞にこだわるのにはわけがある。2年前になる。オールスターの試合後、ダルビッシュと西武・涌井秀章とともに、田中は食事に出かけた。この年のオフに涌井は沢村賞を受賞しているが、この会食の席でも〝沢村賞を獲ってこそ一人前〟といった話題になったという。広島の前田健太がダルビッシュらと親しく会話するようになったのも、沢村賞受賞者の仲間入りをしたからだと田中は見たに違いない。
 それだけに、今年は何としても自分が獲る番だと思っているし、それも兄貴分・ダルビッシュが日本球界にいるうちに受賞したい、という思いが気合いに拍車をかけているのである。
 その沢村賞の条件は登板数が25試合以上で、完投数10個以上、勝利数15以上、奪三振150以上、投球回数200イニング以上で勝率は6割以上。そのうえで防御率は2.50以下という7項目をクリアすることが基準になっている。現在までのところ、残りのシーズンを全欠場でもしないかぎり、2人ともクリアできる数字だ。
 田中にとってこの条件は「エースの資格」だが、対してダルビッシュは「5億円もらっている投手として当然の義務」と事もなげに言ってのける。そして「当たり前のように達成してしまうところがダルの凄さ」と、佐藤コーチは言うのだ。
 ところで、ダルビッシュは、みずからの口からメジャーに行きたいという言葉は発していない。だが、佐藤コーチの目には、最近のトレーニング方法から見ても間違いなくメジャー行きの日が近いと映っている。田中もそれがわかっているだけに、今季中にどうしても乗り越えたいのだ。
 佐藤コーチが2人の教え子を比較して言う。
「ダルビッシュがプロ入り2年目、俺が日ハムの一軍コーチに上がった年、彼は自分から進んで走り込むようになって、太腿が5センチぐらい大きくなった。その年のプレーオフに初めて150キロのストレートを投げている。今の田中にもそれと同じようなものを感じる。確実に太腿が太くなっているし、力強い球が来ている。ベースの上で勝負できる投手になったよ」
 田中が追いかけると、ダルビッシュは、さらに一歩先を目指して体作りを始めた。競争はとどまるところを知らない。

カテゴリー: スポーツ   タグ:   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身