芸能

2019年テレビ界「豪傑墓碑銘」(3)過激な表現で攻めた小池一夫

 カネやんがロッテの監督を務めていた頃、過激な“艶”描写で当時の若者たちを奮い立たせていたのは、4月17日に逝った劇画原作者の小池一夫(享年82)だ。漫画家・映画監督などマルチに活動する杉作J太郎氏が追悼コメントを寄せてくれた。

「僕をそっち方面に本格的に目覚めさせたのは、中学生の時に読んだ『I・餓男(アイウエオボーイ)』(73~77年、画:池上遼一)でしょうね。主人公の猛夫が巡り合っては抱く美女たちがとにかくいやらしい。オープンな場所での艶描写が、とにかく強烈でした」

 半裸で自転車走行する女性グループが野外のジャグジーに主人公と一緒に入り、夜は乱交にふける刺激的シーンなどが印象に残っていると回想している。そうしたエロス描写は、のちに代表作となる『子連れ狼』(画:小島剛夕)、『御用牙』(画:神田たけ志)、『高校生無頼控』(画:芳谷圭児)、『クライングフリーマン』(画:池上遼一)などにも引き継がれ、青年誌ではひるむことなく「インサート」「クローズアップ」など、性器の描写も原作にきちんと指定してあったという。今日のようにコンプライアンス重視の時代には、問題となるであろう表現の限界に挑んだ作家であった。晩年は『ふりまわされない。小池一夫の心をラクにする300の言葉』(ポプラ社)など、人生訓・名言を語っているが、過激なエロで攻めた小池一夫を忘れてはならない。

 萩原健一、内田裕也、安部譲二、金田正一、小池一夫、彼らはまさに一線を越えて“越境”した一代の傑物であった。

 2019年に逝った芸能人、作家・文化人は、別表にあるとおりだが、プロフィールの行間にそれぞれの生き様を感じ取ってほしい。綺羅星たちの退場は、時代の衰退を予感させる。輝ける昭和は遠く過ぎ去り、続く平成も行ってしまった‥‥。

 合掌──。

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