芸能
Posted on 2013年08月23日 10:00

早乙女愛「巨匠監督が振り返る“脱清純派”演技」

2013年08月23日 10:00

 純愛青春映画「愛と誠」(74年・松竹)で、鮮烈デビューを飾った早乙女愛。滞在先のアメリカで多臓器不全のために逝去したのは今から3年前。彼女を難しい役柄に起用した巨匠監督が、「迫真の艶技」を振り返った。

 74年、梶原一騎氏原作マンガ「愛と誠」のヒロイン役として、当時、人気絶頂だった西城秀樹と共演。役名と同じ芸名が象徴するように典型的な、“清純派”としてファンに支持された早乙女。その彼女が、「女猫」(83年・にっかつ)で、大胆な濡れ場を演じた時は、世間の耳目を集めたものだが、さらに女優開眼とでも言うべき出演作となったのが、85年の巨匠・中島貞夫監督作品「瀬降り物語」(東映)であった。日本古来の「山の民」の生活を描いたこの映画で、メガホンをとった中島監督が、早乙女の印象をこう振り返る。

「あの映画は、スタッフ・キャストが(ストーリー上)四国山中のプレハブに籠もって撮った作品。どちらかと言うと、都会的なイメージの早乙女さんだから、最初は『大丈夫かな?』とも思った。食べ物も町なかみたいにちゃんとしてない、ホントに過酷なロケ現場だったからね。確か、秋のシーンがあったから(現場には)2シーズンくらいは籠もってくれたと思う。その中で、彼女は思った以上に、溶け込んでくれました。特に内藤(剛志)君との息が抜群に合っていたね」

 早乙女が演じたハナは、内藤演じるカズオの妻。が、“山の民”役ゆえの演じにくさがあったという。中でも、難しいと思われたのが、山中でカズオを初めて迎える、儀式的な「初夜シーン」。が、早乙女は、純白の裸体をさらしながらも厳粛な演技を見せてくれたという。

「(慣習上)不倫は絶対に許されないという夫婦。山中でむつみ合いながらも、厳格な初夜を演じきった。その他にも、山の中を文字どおり走り回るなど、それまでの彼女のイメージとは違った演技に応えてくれたと思う」

 この作品を一つの機会に、女優として一皮剥けた感のある早乙女だったが、同年の結婚、97年の出産を境にプライベートとの両立を図るようになる。出産3年後の00年には、芸能界を引退して渡米。その10年後、まさに女盛りの中、旅立ったのであった。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    エンタメ
    2026年03月08日 08:00

    最近のカルチャーシーンにドーンと鎮座するものに「昭和レトロ」がある。とりわけ主婦層の間では昭和歌謡や復刻家電、駄菓子風スイーツなどがSNSで大きな話題となり、「推し活」の一環としてグッズを集める動きが拡大している。しかし同じ「昭和回帰」でも...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年03月09日 06:45

    例年よりも早い桜の便りが届いている、2026年の初春。東京では上野恩賜公園や代々木公園といった有名花見スポットは、記録的な円安で押し寄せたインバウンド客と、宴会制限が完全に撤廃された解放感に浸る日本人で、まさに足の踏み場もないカオス状態が予...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年03月11日 06:45

    スマホの通知に追われる日常から、少し距離を置く。そんな「デジタルデトックス」では、若者が編み物や日記、フィルムカメラといったアナログ趣味にハマるケースが報告されているが、この流れは中年層にもじわじわと波及している。その背景にあるのは、仕事で...

    記事全文を読む→
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/3/10発売
    ■550円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク