芸能

ビートたけしの名言集「生きてる理由なんてよくわかんねーな」

 次の言葉は、13年程前、殿とタップダンスの稽古をしたあとの酒席の場で「殿、この世界に入ったからには、一度でいいから売れまくって、お金をバカみたいに稼いだり、女の子に死ぬほどモテてみたいです」と、恐ろしく頭の悪いわたくしの願望に対する、殿からのアンサーです。

「どんなに金を稼いだって、どんなにいい女とセックスしたって、人間は必ず死ぬんだから、そう考えると、生きてる理由なんてよくわかんねーな」

 殿は、こちらがそういった言葉を持ち出さなくても時おり、思い出したように「生と死」について語ることがよくあります。2カ月程前も、

「いまだに人間が生きてる理由ってのがよくわからねーんだよな。どんなにかっこいいこと言ったって、ただ息してクソして死んでくだけじゃねーか」

 と、大変哲学的な問答を、周りの誰に問うでもなく、自分自身に言い聞かせるように漏らしていました。

 ちなみに北野映画を論じる時、映画評論家やライターの方たちの多くが 「北野映画は常に死を強く意識させられる」的な物言いをされています。ある映画評論家の方が、かなりの熱量を持って北野映画について、やはり「死」を基本ベースに論じたことがあったのですが、そのことを殿に伝えると、

「難しいことはどうでもいいから、客が映画を観たくなるようなやつ書いてくれよ。だけど今、映画の評論なんて熱心に読んでるヤツいるのか?」

 と、身も蓋もない感想を漏らしていました。

 話を殿の「生と死」発言に戻します。

「だけど、いまだに死ぬってことが悪いことなのか、よくわかんねーよな。だって、死んだらどうなるかなんて実際、誰もわかんねーんだから」

 少し前、楽屋での雑談の中で、わりと唐突に殿が吐き出した言葉です。

 かつて、丹波哲郎さんが「大霊界死んだらどうなる」なんて映画を制作していましたが、確かに三途の川を見ただの、幽体離脱をしただのと、その手のエピソードは山ほど聞きますが、実際のところは“死んだらいったいどうなるの?”といったことが真理であり、そこはもういくら考えても絶対にわからないわけで、だからこそ、宗教や神様といった存在が顔を出してくるのでしょう。そういえば、丹波哲郎さんが殿と某スタジオで遭遇した時、付き人でわたくしも横にいたのですが、丹波さんは「北野くんは死んだら霊界では大変な地位に行く人だ。だからわたしの映画(大霊界シリーズ)を撮らなければならない」と、要請していた一幕がありました。

 最後に、最近の殿の“真理的発言”です。

「もう神も仏もないな。金さえ稼げば、ドジョウみたいな顔してたって、剛○彩○と付き合えるんだから。世の中わかりやすくていいな!」

 いたってシンプルな真理について、得意の“見立て”で笑かしながらも、改めて嘆いていました。

ビートたけしが責任編集長を務める有料ネットマガジン「お笑いKGB」好評配信中!

http://www.owarai-kgb.jp/

◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身