社会
Posted on 2021年02月22日 05:55

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<声のトラブル>耳鼻科で異常なしでも痰が絡む咳が続いたら…

2021年02月22日 05:55

 外食の自粛や、リモートワークの推進などにより、人と会う機会が減っている人も少なくないだろう。そうした中、なぜか「声が出しにくい」「声がかすれている」などの症状を訴える人が増えているという。

 声のトラブルに悩む人は全国に6%、752万人ほどいると推定されている(2016年・京都学園大学・健康医療学部紀要)。

 特に多いのが「けいれん性発声障害」。これは声を出そうとすると、自分の意思とは無関係に、声帯が異常な動き方をしてしまう病気。主な症状は「のどに詰まりを感じる」「1音目が出にくい」「痰が絡む咳払い」など。

 診断が困難なため、耳鼻科で受診をしても、「異常なし」「精神的なストレスが原因」と言われて放置される場合が多い。

 原因不明のため、治療は声帯筋のジストニアの対症療法となる。声帯筋へボツリヌス注射をして、声帯筋の動きを麻痺、脱力させる。注射の効果は2~3カ月程度で、繰り返しの注射が必要となる。症状が重い場合などには手術療法もある。

 スピーチの時などにスムーズに声が出なければ「過緊張性発声障害」の可能性が高い。これは、誤った発声の仕方が原因で、舌やのどの筋肉が緊張してしまうことで声が詰まる。治療は、発声の仕方を正すために、ボイストレーニングなどで音声治療を行うのが一般的である。

 また、なんらかのストレスにより、突然声が出なくなるなど、心理的な疾患や精神疾患が関わる場合は「心因性発声障害」の可能性が高い。治療は、カウンセリングや暗示療法を行うが、症状が重い場合には精神科での治療が必要となる。

 いずれも命に関わる危険はないが、コミュニケーションに支障を来す可能性があるため、本人にとってはかなりつらい。気になる場合は、一度、発声障害専門の医療機関を受診しよう。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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