政治

宮崎謙介〈政界“魑魅魍魎”ウォッチ〉「『税金で帝国ホテル122泊』暴露の意義」

 元衆院議員の宮崎謙介氏が足掛け5年の議員生活の経験をもとに、政治家ウオッチングやオフレコ話、政治にまつわる話を適度な塩梅で、わかりやすく「濃口政治評論家」として直言!

 ぐっちゃぐっちゃですね。森喜朗会長の引責、菅総理の御子息の違法接待疑惑。小池百合子劇場でもまだまだ波紋が広がりそうですし。

 そんな中、丸山穂高議員が、Twitterに物議を醸す投稿を。

〈帝国ホテルのサービスアパートメントに、国会議員文通費で長期滞在します。給与とは別に毎月100万円フリーハンドな議員特権「文通費は」、正式名称「文書通信交通滞在費」〉

 帝国ホテルに122泊して150万円だとか。あえてこの時期に、またもや丸山議員。

 文書通信交通滞在費は、国民的には不愉快なものかと想像します。さらに、領収書が必要ないなんてナンセンス。そりゃあ「税金ドロボー、給料戻せ!」と騒ぎたくなりますよ。

 僕が議員時代は、党、派閥、県連にそれぞれ5万円くらいを払って、手取りで50万円強だったでしょうか。あとは日頃の交際費などもかかりますので、国会議員ってわりとジリ貧。杉村太蔵さんの「BMW乗り回し」なんて、夢の夢だと思いました。

 でもね、やっぱり文通費があることで、僕もどれだけ助かったことか。丸山議員は「毎月もらう文通費は使い切れず、資金管理団体に収めている」ようなことを吐露していましたが、僕は使い切っていました。

 歳費や文通費の使われ方よりもっと重大なことがあるだろう、というご時世ではありますが、僕としては、丸山議員があえて「国会議員の既得権に対する問題提起」をしていることを、とても評価したい。

 国会議員の問題は議員丸ごとで考えてはならず、いろんな背景、功績、その事情を拾い上げないと。細かくチェックして、ダメな人は排除。志は高くなくとも、能力が高い人を選んでいく時代が到来する予感がします。

 議員時代に、熱意オンリーだけど大丈夫か、という方々がおりましたし、「何をやってるの、この人?」という議員もいました

 今回の森さんの発言で、野党の女性議員が白い服を着用して国会に登場し、抗議意思を示していましたけど、僕はああいうパフォーマンスはだらしないと思う。#MeToo(ミートゥー)問題の時もそう。同じように黒服で抗議しましたけど、つまりは黒い服を着用しただけ。それ以降、具体的な法案を通したのかな。個人的にでも行動を起こしたのかな。打ち上げ花火的なパフォーマンスがあってもかまいませんが、本物の改革を進めていって下さいよ。

 こうなったら「国会議員をぶっ壊す!」っていうまとめ役が出てこないかなあ。議員の人事部分だけ切り離して民営化してもいいですけどねぇ、という小泉純一郎的な。

 とどのつまり、それが選挙なんです。議員の人事を司っているのはすなわち、有権者。だからこそ、選挙へ行きましょう‥‥ということはずーっと問われていることなのですが。

 丸山議員は海千山千が定着し、自分でもヒールな存在と開き直っています。今後も案外、古き政治の悪習に一石を投じていく存在になるのかも。

 今年は衆院議員選挙の年です。次こそ、次こそ。優秀で誠実な議員たちを増やすために、選挙へ行きましょう。

宮崎謙介(みやざき・けんすけ):1981年生まれ、東京出身。早稲田大学を卒業後、日本生命などを経て、12年に衆議院議員に。16年に辞職し、経営コンサルタントや「サンデー・ジャポン」(TBS系)などに出演。「バラいろダンディ」(TOKYO MX)ではレギュラーMCを務める。

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