芸能

「流行語大賞」にみるテレビドラマと主題歌の微妙な関係

 12月2日、今年の『ユーキャン新語・流行語大賞』が発表され、『今でしょ!』『倍返し』『じぇじぇじぇ』『お・も・て・な・し』が年間大賞を受賞し、史上初の4つ同時大賞という事で話題になった。当日、取材していた記者の間では、

「4語も選んだら死語になって縁起悪いぞ」

 などとジョークも飛んだという。

 だが今回の結果を苦々しく思っていたのが音楽業界だ。どういうことか。

「『今でしょ!』『倍返し』と『じぇじぇじぇ』はCMとドラマから生まれたので、ドラマやCM関係者は喜んでいるでしょうが、音楽業界は違います。これまでドラマの主題歌やCMのタイアップ曲が、CDの売上にかなりの効果を上げていました。ところが、最近はそういう傾向は薄れてきた上に、歌唱のある曲を使わない場合が増えてる。流行語大賞でそれがハッキリしてしまいました。どれも歌唱のないインストゥルメンタル(器楽曲)なんです。『今でしょ!』の東進ハイスクールのCM曲は東川亜希子さん作曲。『倍返し』の『半沢直樹』(TBS系)のテーマ曲は服部隆之さん作曲。『じぇじぇじぇ』の『あまちゃん』のテーマ曲は大友良英さん作曲です」

 流行語大賞という時代を象徴するワードを生み出したドラマやCMが、どれもインストゥルメンタルで、しかも、視聴者がそれを心地良いと感じでしまった。

「今までの歌唱曲とインストゥルメンタル曲では売上枚数が段違いです。やはり音楽業界としては、歌唱のある主題歌がヒットする事を望んでいますよ。『半沢直樹』や『あまちゃん』の受賞に音楽業界は歯ぎしりしているでしょうね」

 TBSもマズイと思ったのか、『半沢直樹』の後番組、木村拓哉主演『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』では竹内まりやの『Your Eyes』を主題歌として起用。木村拓哉(41)主演と竹内まりや(58)主題歌のコンビは、88年のドラマ『眠れる森』(フジテレビ系)で大成功。その時の主題歌『カムフラージュ』は竹内初のオリコン1位になり、ドラマと共に大ヒットした。

「今回の『Your Eyes』は夫、山下達郎(60)の名曲をカバーしたものですから、制作側も『間違いない』と安心していたのですが‥‥」(前出・音楽関係者)

 しかし「安堂ロイド」は肝心のドラマの視聴率が惨敗。さらには「主題曲が流れると昔のドラマの雰囲気がする」と視聴者には不評。 

「流行語大賞」からも、音楽業界の不振が見え隠れしているのだ。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , , , , , , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
JR東日本に続いて西と四国も!「列車内映像」使用NG拡大で「バスVS鉄道旅」番組はもう作れなくなる
2
大谷翔平が「嘘つき」と断言した元通訳・水原一平の潜伏先は「ギャンブル中毒の矯正施設」か
3
【ボクシング】井上尚弥「3階級4団体統一は可能なのか」に畑山隆則の見解は「ヤバイんじゃないか」
4
リストラされる過去の遺物「芸能レポーター」井上公造が「じゅん散歩」に映り込んだのは本当に偶然なのか
5
舟木一夫「2年待ってくれと息子と約束した」/テリー伊藤対談(3)