芸能

日本レコード大賞 炎の四番勝負!<最終回>「1989年~美空ひばり VS Wink~」(2)

20131226j

 Winkと美空ひばりが激突する前年、昭和最後の開催となった88年の大みそかに、筆者は会場の日本武道館にいた。島倉千代子が歌う「人生いろいろ」に女の子たちが合いの手を入れるなど、ライブ感に満ちた展開となった。

 この年の大賞は光GENJIの「パラダイス銀河」だったが、ステージはローラースケート場のように高低ができている。舞台の美術デザインを務めた三原康博は言う。

「彼らがローラースケートをやるのなら、それに合わせて階段を上げ下げしてあげるよ」

 会場が帝国劇場から武道館に移ったのは85年である。長らく「ザ・ベストテン」のセットを作ってきた三原は、広大な会場に「わが意を得たり」と思った。たとえばC-C-Bの登場シーンは、武道館の四方から箱に乗ったメンバーが別々に演奏しながらスライドし、中央で合体するという演出で驚かせた。

「観ている人を退屈させないように、照明だけじゃなくセットでもスペクタクルを味わってもらいたかった。だから武道館は、僕には乗れる会場だったね」

 89年は一方が故人の決戦であったが、三原は、もし「当事者不在の大賞」であっても舞台を作る秘策があったと言う。

「僕らが作っていた『ザ・ベストテン』は、日本中、どこまでも追っかけるのがウリだった。だったら、天国まで追いかけるような美術にするまでだよ」

 それが昭和という時代を象徴したひばりへの追悼であるし、和製マイウェイと呼べる「川の流れのように」という楽曲に対しての敬意であった。

 では対抗するWinkは、見えざる相手にどんな策を打ったのか。ディレクターの水橋は、決して賞レースに積極的だったわけではないと内情を明かす。

「どちらかといえば局のほうから『エントリーしませんか?』という感じでした」

 ブレイクした「愛が止まらない」もそうだが、デビュー曲の「Sugar Baby Love」から洋楽のカバーがほとんどだった。そして89年7月5日に発売された「淋しい熱帯魚」は、作詞・及川眠子、作曲・尾関昌也と、純然たるオリジナルである。

「季節柄、夏の歌であることはもちろんだけど、かといってWinkに『ビーチパラソルの下』みたいな歌は似合わない。ブラインドから雨空をのぞくような世界観にしてほしいとコンセプトを伝えたんです」

 歌詞には「プールサイド」や「花柄の水着」という言葉はあっても、それが直接的な表現ではない。熱帯夜に幻想がたゆたうような傑作に仕上がっている。

 さて、ひばりの「川の流れのように」は、本来はシングル化されるはずではなかった。同じ秋元康作詞による若者向けの曲である「ハ ハ ハ」で決まっていたものを、ひばりの強い希望で変更。これが生前のラストシングルとなり、国民が納得する“遺作”となったのは、稀代の歌姫らしい選択であった──。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    過食やストレスによる“ぽっちゃり” 実は「脳疲労」が原因だった!?

    Sponsored
    157187

    「思うように外出できないし、友だちともなかなか会えない」「四六時中、家族と接していて息が詰まる」「在宅勤務だと仕事に集中できない」「残業がなく収入減で将来が不安」──会議に限らず、飲み会やデート、婚活まで、オンラインによるライフスタイルがニ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , , , |

    参加無料の賞金大会実況リポート!いま激アツなオンライン麻雀の“リアル”

    Sponsored
    156506

    ここ数年、急増している麻雀番組。昨今、超人気アイドルグループをはじめ、グラドル界からも麻雀にハマるメンバーが続々登場。彼女たちの間では「グラドル雀士枠」の争奪戦も展開されているとか。もはや可愛いさだけではなくプロとも渡り合えるガチな雀力が求…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , , , |

    アラフォー男性の健康トラブルが増えている!?“人生100年時代”を生き抜く3つのヒントとは?

    Sponsored
    155376

    “貧乏暇なし”とはよくいったもので、来る日も来る日も働きづめでストレスはたまる一方だ。暴飲暴食で食生活は乱れ、疲れがなかなかとれないばかりか、眠りは浅く熟睡もできない。こんな毎日だから朝から体がダルいし、集中力や判断力が鈍って仕事ではミスば…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
松田聖子「40周年」と「沙也加」の誤算(1)58歳で小ぶりバスト披露の衝撃
2
田中理恵、バストアップに成功!恍惚表情もタマらないストレッチ動画の中身
3
太川陽介「路線バス陣取り合戦」、川崎麻世が2回目で外されたワケとは?
4
松井玲奈、鉄道愛熱弁も「スカートから肌着丸っと見え」疑惑でネット騒然!
5
佐々木希、匂わせたのは妊娠?離婚?「謎すぎインスタ」が超深読みされていた