スポーツ

中日・谷繁“布石を打って勝つ”新リーダー術(11)「森ヘッドの手腕がチームを左右する?」

20140320j

 手練手管の策士、森と比して、若き青年将校である谷繁の監督ぶりは、いささか頼りなく見えるかもしれない。多くの関係者からも「落合GMの傀儡政権」という声が出ているのもその表れだろう。

 実際、コーチ陣を見るかぎり、落合監督時代にコーチを務めていた面々が返り咲いているだけに、そう思われても不思議ではない。だが、谷繁の中では、目指すべき野球の姿ははっきりと見えている。谷繁自身は高木監督の2年間を振り返り、こう嘆いたものだった。

「(落合監督時代の末期になって)ようやくチームの目指す方向が見えてきた。勝つためには何をしなければいけないのかがわかりかけていたと思う。築き上げるまでには時間がかかるけど、崩れるのは早いからね」

 それゆえに、「落合野球を知るコーチ陣に任せれば、チームをかつてのような常勝軍団にすることができる」と躊躇なく、かつてのコーチ陣の復帰を歓迎したに違いない。

 それほど、谷繁自身は勝負師として、勝つことの重要性を認識している人間である。かつてインタビューでも「チームの勝ちが優先だから、確率がよければ『代打オマエ』と選手を送り出すと思います」と、個人の成績よりもチームの勝利を優先することを明言している。

 現在、谷繁と森の関係を見るかぎり、不安はない。森をよく知り西武時代の先輩でもあった東尾修は「アイツ(森)は任されたことに意気を感じてやるタイプ。上を狙うよりも筋を通すタイプだから、任せられる部分は任せればいいんだよ」と評していた。その言葉の意味を、すでに谷繁は理解していることが、これまでのオープン戦の采配からも感じ取れるのだ。

 落合監督時代に森が言っていた言葉を思い出す。

「投手を任されたのだからやるのは当たり前だろ」

 これを、今の立場に置き換えれば、森の男気が中日復活の鍵を握ると言えそうだ。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
2
3Aで好投してもメジャー昇格が難しい…藤浪晋太郎に立ちはだかるマイナーリーグの「不文律」
3
「コーチに無断でフォーム改造⇒大失敗」2軍のドン底に沈んだ阪神・湯浅京己のボコボコ地獄
4
フジテレビ・井上清華アナ「治らない顎関節症」と「致死量ストレス」の不穏な関係
5
【大騒動】楽天・田中将大が投げられない!術後「容体不良説」も出た「斎藤佑樹との立場逆転」