社会

「首都直下地震」が襲う「エレベーター閉じ込め地獄」回避の心得

 全国のタワーマンションはこの10年で一千棟増えたという。

 タワマンとは、20階建て以上の高層マンションを指す。普通のマンションより賃貸も分譲も20%ほど高額になる傾向があるが、エリアによっては高騰にもかかわらず完売が相次ぐ人気ぶりだ。

 住宅ジャーナリストが言う。

「眺望が良く、エントランスやパーティールームなどの共有設備が豪華であるため、普通のマンションより当然、割高になります。しかも、同じタワマンであっても階数によって価格差が10倍以上になることもある。それでもこうした『億ション』は次々に売れている状況で、これまでの経営者や投資家など富裕層のほか、『パワーカップル』と呼ばれる共働き夫婦や高齢者が購入するケースが増えています」

 ただ、そこで気になるのが、迫りつつある「首都直下地震」への備え。各不動産会社や建設会社はしかるべき対応をとっているはずだが、防ぎようがないというのがエレベーター問題だ。昨年10月、東京を震度5強の強い揺れが襲った際は、東京、千葉、埼玉、神奈川で計28件の「閉じ込め事故」が発生している。

「閉じ込められたとしても、消防やエレベーターの管理会社は対応に追われ、なかなか駆けつけてもらえない。巨大地震であれば最悪、照明が消え真っ暗な中に何日間も閉じ込められるケースも想定されます。その際は空腹状態はもちろんのこと、当然ながら排泄物の問題も出てくる。ましてや男女の複数人で閉じ込められた際は異常なストレス状態に陥り、中にはパニック障害を引き起こす場合もあります。タワマンは、そうした地獄と隣り合わせなんですよ」(前出・住宅ジャーナリスト)

 ではもし、閉じ込められた場合はどのような行動をとればいいのか。

「最近のエレベーターは、地震が発生し最初に届く揺れ(P波)を検出すると、直ちに最寄りの階に停止するようにはなっています。ただ、揺れの強さによっては、その場で緊急停止してしまうこともある。そのため携帯電話の緊急地震速報が鳴ったら、速やかに全ての階の停止ボタンを押し、停止した階で外に出ることです」(前出・住宅ジャーナリスト)

 タワマン住民に限らず、エレベーターを利用する機会が多い人も心掛けておくべきだろう。

(蓮見茂)

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