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記事全文を読む→東京都「首都直下地震等被害想定」の大ウソを暴く(15)病院も次々と倒壊!都の防災会議が目をそむける「医療機能マヒ」の地獄絵図
都心南部直下地震をはじめとする大地震が発生した場合、「医療機能」もマヒ状態に陥ると考えておかねばならない。だが、都の元防災担当幹部は、
「今回の新被害想定における医療機能マヒへの言及は、わずか1ページにすぎません」
こう指摘した上で、次のように明かすのだ。
「実際には停電や断水、非常用電源が枯渇し、事実上、病院機能は停止状態に追い込まれます。また、道路の寸断や建物の火災などによって、救急搬送もほぼ行えない事態が予想されます。仮に一部地域で救急搬送が可能であったとしても、救急車そのものの数が圧倒的に足りないのです。さらに、医師や看護師らも被災して身動きが取れなくなりますから、傷病者の受け入れはすぐさまパンクしてしまうでしょう。ただ、私が最も懸念しているのは『そもそも病院の建物自体が無事なのか』という点なのです」
というのも、新被害想定には「災害拠点病院や二次救急医療機関などでは耐震化等の対策が概ねなされている」と記されているからだ。元防災担当幹部が続ける。
「この『概ね』という表現がクセ者です。都は病院をはじめとする特定建築物の耐震化率は88.4%(一昨年)に達したとしていますが、厚生労働省が実施した同時期のより詳細な耐震化率調査では、77.2%に留まっている。加えて、免震装置が設置されている最新鋭の病院といえども、長周期パルスの一撃(6月12日配信の当連載記事を参照)によって、あっさりと倒壊する危険性が指摘されているのです。さらに言えば、一部の建物しか耐震化されていない病院も少なくなく、新耐震基準を満たしていない一部の病棟が崩落した場合、修羅場と化した現場は、そのための救助活動で手一杯になってしまうでしょう」
大地震が起きれば病院は全くアテにならず、傷病者は見殺しにされる──。これが医療機能マヒの偽らざる真実なのだ。
(森省歩)
ジャーナリスト、ノンフィクション作家。1961年、北海道生まれ。慶應義塾大学文学部卒。出版社勤務後、1992年に独立。月刊誌や週刊誌を中心に政治、経済、社会など幅広いテーマで記事を発表しているが、2012年の大腸ガン手術後は、医療記事も精力的に手がけている。著書は「田中角栄に消えた闇ガネ」(講談社)、「鳩山由紀夫と鳩山家四代」(中公新書ラクレ)、「ドキュメント自殺」(KKベストセラーズ)など。
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